核兵器禁止条約と憲法9条

    2017/07/14

     日本の侵略戦争が本格化した盧溝橋事件80年の7月7日、核兵器を非合法化する核兵器禁止条約が、7日、122カ国が賛成して国連の会議で採択された。
     核兵器の使用や開発、実験、製造、保有と、使用をちらつかせる脅しも禁じた史上初めて、歴史的な国際条約だ。ところが、米英仏ロ中の核保有5カ国と、米国の「核の傘」に依存する日本や韓国、ドイツなどNATO諸国の多くは、米国の要請でこの交渉に参加せず、オランダは交渉に参加して反対票を投じた。
     問題は唯一の戦争被爆国、日本は「核の傘」の下にいるとして、米国に追随し、「核保有国と非保有国の溝を深める」として参加を拒否、採択後には「今後も参加しない」と表明した。被爆者の願いを踏みにじり、国際世論に背を向けた恥ずかしい行動だ。
     新聞各紙は例によって、「保有国抜きでは実効性を欠く」とした読売と、以前から不参加を支持してきた産経以外は、条約について、「理想に向かう新たな道だ」(毎日)、「抑止論の呪縛解く一歩に」(信濃毎日)、と評価、「これが被爆者の願いだ」(中国)、「被爆者の声が届いた」(沖縄タイムス)と書いて、日本の姿勢については、「被爆国の責任放棄だ」(朝日)、「日本は国際社会を裏切った」(琉球新報)と批判、「被爆国から発信続けよ」(東京)、)「廃絶に日本も協力せよ」(高知)と訴えた。
     琉球新報は、「日本がなすべきは、核保有国の側に付くことではない。国際社会が日本に期待するのは『核兵器なき世界』を主導し、対立する核保有国と非保有国の『橋渡し役』を積極的に担うこと」「北朝鮮の脅威を強調することで、核兵器を正当化するようなことは被爆国として厳に慎むべき」「核兵器の非人道性を訴え、『核の傘』を畳むことを世界に働き掛けていくことこそが日本の果たすべき役割」と言い切っている。
     考えたいのは、「核」に限らず、「日本は戦争をしない。だから戦力は持たない」という9条の原則だ。70年の議論の中でも、「理不尽な攻撃があれば、守るための行動はするが、『やられたらやり返す』という道は取らない」という「専守防衛」の原則は確立されてきた。「核の傘」の議論も「自衛隊合憲化」の議論も、実は同じ。国際社会が求めた日本や日本国憲法への期待も同じ。そこでもここでも、日本は世界の世論を裏切っている。