憲法とヘリ炎上~衆院選の争点

    2017/10/13

     10月22日投開票の衆院選を巡って、新聞各紙は12日付朝刊で一斉に序盤の情勢を報じた。「安倍一強」自民党は堅調、小池百合子氏支配の希望の党は追い風なく伸び悩み、小池氏に排除された民進前職らの立憲民主党に勢い―といったあたりが各紙共通だ。自民党が堅調だといっても内閣支持率は伸びていない。アベ政治が支持されているわけでも、自民党の地力が伸びているわけでもない。公示直前の野党第1党の分裂に伴う混乱で、相対的に自民党が強く見えている可能性がある。衆院選は見かけの上では「自民・公明」と「希望・維新」、「立憲民主・共産・社民」の3極構造だが、憲法改正や安保法制を軸に取れば、希望の党は自民党の補完勢力であることは明らかだ。選挙結果にもよるだろうが、仮に大連立に進むなら、自民党への最大サポーターになる。そうした選挙戦や公約の実相を見極めるなら、最大の争点は憲法、中でも9条の改悪を許すのかどうかだ。
     12日付朝刊には、この争点に深くかかわるニュースが載っていた。沖縄本島北部で飛行中の米軍ヘリが出火。民有地に不時着して炎上した。「あわや」の事故だ。沖縄配備の米軍機の事故・トラブルが相次ぐ。オーストラリア沖では欠陥機との指摘が絶えない垂直離着陸輸送機オスプレイが墜落し、乗っていた海兵隊員に死者も出た。そのような米軍機が毎日、上空を飛び交っている沖縄では、住民が日常的に危険にさらされている。確かに北朝鮮のミサイル・核開発は危機かもしれない。ならば沖縄は、今まさに住民の命が危険にさらされているリアルな危機ではないのか。
     米軍機の事故に対して安倍政権は遺憾の意を表明し、時には形だけの抗議をしてみせるが、本気で沖縄の住民の命を守るつもりがあるのか。名護市辺野古では、沖縄県の反対に耳を貸さず、恒久的な新基地の建設を強行している。衆院選では、安倍政権は国民の生命・財産を守るつもりがあるのかどうかが、全国で問われるべきだ。
     東京発行の一般紙各紙では、この事故の扱いは東京新聞が1面トップ、朝日、毎日も1面なのに対し、読売は社会面、産経は第2社会面にとどまった。意図的に過小評価するのだとしたら、危機の放置に加担することになる。