「有志連合」を選挙の議論に

    2019/07/19

     中東・イラン沖などを航行する民間船舶の護衛のためとして、米政府が目指す「有志連合」に日本は参加するのかどうか。米国は19日にも説明会を開き、日本は駐米大使館が対応、イランも「ペルシャ湾の緊張緩和にはつながらない。イランは歓迎しない」と、有志連合に参加しないように要請してきている。
     参院選の最中とあって、問題にされにくいテーマだが、日本の平和に関わる重大な問題だ。トランプ政権はどうでも参加を求めてくるだろうが、「武力行使の3条件」に合致する事態ではなく、集団的自衛権の発動には無理がある、としても、戦争法を成立させ、憲法を変えようといっている安倍首相が、はっきり「憲法上できません」と断れるのかどうか、いささか心許ないと考える人は少なくないだろう。
     戦争のための有志連合ではなく、「船舶護衛」というのがクセ球だが、各紙の社説は、「中東有志連合 緊張緩和の努力が先だ」(朝日)、「大義があるか見極めが大切だ」(毎日)、「米追従では緊張高める」(京都新聞)などに対し、読売は「米国の意向や国際情勢を見極めて、慎重に判断する必要がある。ホルムズ海峡は、日本が輸入する原油の8割が通過する海上交通の要衝だ。国益に資する国際貢献のあり方を考えたい」と迎合的だ。
     この参院選、問われていることは多いが、この有志連合参加問題と、トランプ大統領が提起した日米安保問題についても、選挙の争点として議論されなければならない。せっかくイランを訪問して和平の仲立ちをするつもりだった安倍首相はどう考えるのか。有志連合などに参加すれば、まさに米国の戦争に巻き込まれることになるのではないか。
     「戦争にしない」―その努力こそ、有権者の選択に向けて、メディアが語らなければならないことである。


    米、日本に有志連合への協力打診 イラン沖で船舶護衛
    イラン緊迫 政治 中東・アフリカ 北米
    2019/7/11 2:00
    日本経済新聞 電子版

    米国は他の同盟国にも呼びかけており、今後、数週間以内に参加国を決める方針だ。日本政府は米側の具体的な要請を見極めながら、参加の是非や参加する場合の法的な枠組みを判断する。


    【テヘラン共同】中東のホルムズ海峡周辺で米国が船舶警護の有志連合結成を呼び掛けていることを受け、イランが日本や英独仏を含む少なくとも7カ国に対し、と外交ルートで通告し、有志連合に参加しないよう促したことが18日、分かった。複数のイラン政府筋が共同通信に明らかにした。
     各国大使館などを通じて口頭で意向を伝えた。有志連合構想では日本など米同盟国の対応が焦点だ。伝統的な友好国のイランから不参加を促された日本は、イラン包囲網の構築を目指す米国と板挟みの形となり、難しい対応を迫られている。