日本型クーデターの悪夢

    2019/01/11

     新年のメディアは、「平成最後の初日の出」などと、春の天皇「代替わり」をショーアップする番組が多かった。安倍首相の年頭所感もまさに「都合のよい主張羅列」「モリカケ・原発言及も反省もなし」「『新時代感』出しリセット」「乏しい具体策『大言壮語」」(1月8日東京「こちら特報部」)というものだった。
     さらに安倍首相は、4日の年頭記者会見で「国会において活発な議論がなされ、できる限り広範な合意が得られることを期待する」(4日)、「新たな国づくりに挑戦する1年にしていきたい」(5日)など3日連続で改憲の執念を公言した。それだけにイヤーな気分がしてならないのは、「代替わり」を絡めた「日本型クーデター」の悪夢だ。
     安倍政権はこの6年間、結局どんな議論があっても、それを無視して、ブルドーザーのように、「壊憲路線」を進めてきた。そこで、気になるのは、安倍は参院選がある今年前半、「代替わり」も利用し、「日ソ」も、「消費税」も使って、予算が上がったらとたん、「時間がない」と高姿勢に転じ、すべてごり押しで「改憲」を進める「日本型クーデター」に出るのではないか、という「悪夢」だ。
     昨年秋の内閣改造で、自民党改憲本部に側近を送り込み、「改憲シフト」を取った安倍は、わざわざ「消費税」を予定通り増税することを強調、日ソ平和条約交渉を進めると打ち出した。新制度で外国人が入ってくるし、「G20 」や、FTA問題もある。辺野古や日韓、日朝問題もある。そんなあらゆる課題を、一挙にご破算にしてしまおう、というわけだ。
     安倍にとって、「異論」はどうでもいい。数で押しつぶせば、最初はマスコミも騒ぐし野党もいろいろ言うが、そのうち収まるから、「代替わり」の10日間の休みで、ちょっと落ち着かせ、同日選ですべてリセットすれば、問題はない。場合によっては「公明党切り捨て」も構わない。多数」だけを根拠に、立憲主義どころか、事実上の憲法破壊を進めて、「新時代」に「憲法改正」も間に合わせる。まさに、「日本型クーデター」だ。
     憲法審査会で「改憲合意」ができないことはもうわかっている。消費税を上げるにも軽減税率やカード還元などで問題は複雑になり、難しくなるばかり。だが、強引に動かして、「よくやった!」と、大向こうからの大義名分が立つのは、唯一、「一転高姿勢」で、騒然とした空気をつくり、「代替わり」で、社会が休みになるのを機会に 「新しい時代」 を演出する…。それくらいなのだ。元号が替わることで、何でも新しくなって、いいことになる、というキャンペーンが始まっている。
     「常識でいえば、安全を期さなければいけない元号や天皇が代わる年には、政治課題はできるだけ減らしておくもの。ところが、この政権は、北方領土から、北朝鮮、韓国に対するファイティングポーズなど、緊張をあおっている。かつて後藤田正晴氏は「日本人は大事なものほど、丁寧な議論をしないで、どさくさにまみれて混乱の中で決める性格がある、と言っていた…」というのは、ある「政界通」の見方だ。