疑惑とマンネリズム

    2018/05/25

     森友学園、加計学園を巡る疑惑に新たな展開があった。
     まず森友学園。財務省は5月23日、大阪の国有地払い下げについての森友学園側との交渉記録を国会に提出。その中には、安倍晋三首相の昭恵夫人付の政府職員から問い合わせがあったことを記したメモもあった。夫人付職員からとして「優遇を受けられないかと総理夫人に照会があり、当方からお問い合わせさせていただいた」と記されていた。政府職員が昭恵夫人の知らないところで勝手に動くわけがない。財務省への照会は昭恵夫人から指示があったとみるべきだ。この状況を常識的に解釈すれば、まさに昭恵夫人が国有地払い下げに関与したというほかない。昨年2月に首相は、自分や昭恵夫人が国有地売却に関係していたということになれば首相も国会議員も辞めるとタンカを切った。約束通り、首相と国会議員を辞めるべきだ。
     加計学園を巡っては5月21日、愛媛県が新たな文書を国会に提出。県職員が加計学園側から聞いた話として、2015年2月25日に加計孝太郎・学園理事長が安倍首相と面会し、国際水準の獣医学教育を目指すと説明したのに対し、首相は「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」とコメントしたと記されていた。県職員がこんな話をねつ造する必要はない。少なくとも加計学園側が県職員にそういう情報を伝えたことは間違いがない。獣医学部の構想を知ったのは2017年1月との首相の主張の信ぴょう性が大きく揺らいでいる。
     安倍首相はと言えば、夫人付き職員の財務省への照会については、値下げの交渉ではないから問題ないと言い放ち、愛媛県の新文書に対しては、何の裏付け資料も補強資料もないのに加計理事長と自身の面会を否定した。この自信と余裕がどこから出てくるのかよく分からないが、気になるのは世論の動向。5月に入って、20日までにマスメディア各社が実施した世論調査では、加計学園の問題を巡って「疑惑は晴れていない」が83%に上る(朝日新聞調査)など、個別の不祥事には厳しい結果が並んだ一方で、安倍内閣の支持率はそろって下げ止まり、ないしは上昇に転じた。依然として不支持率が上回るとは言え、安倍首相は「もはやモリカケは怖くない」との心境だろうか。
     「ジャーナリズムはマンネリズムとの闘い」とは故原寿雄さんの言葉。森友学園、加計学園を巡って何が問題なのか、なぜ問題なのか、繰り返し伝えていかなければならない。