いまこそ、メディアスクラムを

    2017/06/24

     腐ってもNHK。そう思わせたのが、19日午後10時からの「クローズアップ現代+」の加計学園・獣医学部新設問題をめぐる新文書の報道だ。
     文書のタイトルは「10/21萩生田副長官ご発言概要」。「官邸は絶対やると言っている」「総理は『平成30年4月開学』とおしりを切っていた」と、安倍晋三首相の側近、萩生田副長官が文部科学省の高等教育局長に語ったとされる生々しい発言が記録されていた。獣医学部新設に官邸が深く関与したことを伺わせる決定的な内容だ。
     しかも、報道のタイミングも絶妙だ。この日の夕方、国会閉会にあたって安倍首相が記者会見し、「今後、何か指摘があればその都度、真摯に説明責任を果たしてまいります」と発言した直後のことだった。
     興味深いのは、この報道が「ニュース7」や「ニュースウオッチ9」という通常のニュース番組の枠で流されなかったこと。実は、1カ月前にこんなことがあった。朝日新聞が5月17日朝刊で「新学部『総理の意向』との見出しのスクープ記事を1面トップで報じた。文部科学省が、特区を担当する内閣府から「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向だと聞いている」と言われたとする記録が文書で残っていたとする内容。ところが、NHKも前日夜、同じような文書の存在を報じながらが、「官邸の最高レベル」が黒塗りにされていたのだった。
     真相は不明だが、社会部の特ダネをNHK上層部によって黒塗りが指示され、あいまいな報道になった、とささやかれている。今回の見事な特ダネは、現場の記者たちのリベンジではないか、と思えてくる。
     NHKのWEB特集「加計 “新文書”の持つ意味は」で、担当者は「今回の問題の本質は獣医学部新設の選定プロセスが適切であったかどうか」と明快だ。選定プロセスを明らかにするのは、人々の知る権利に応えるジャーナリズムの役割であり、組織を超えて共闘できるはずだ。現場の記者たちは意地を見せよ。今こそ、真のメディアスクラムが求められている。