辺野古の海は貢ぎ物ではない

    2017/02/18

     安倍晋三首相と米国のトランプ大統領の初めての首脳会談が2月10日、行われた。表立っては対立点の言及はなく、日米同盟の強化で合意し、両首脳の親密ぶりがアピールされた。大統領就任前からトランプ氏は、在日米軍の駐留費負担を巡って日本を批判していたが、会談ではこの話は出なかったとされる。安倍首相は帰国直後のテレビ出演で、駐留費負担の問題はこれで終わり、との認識を示した。そういうこともあって初会談の日本政府の評価は、とりわけ安全保障の面では「満額回答」などと伝えられている。
     だが、共同声明には「日本は同盟におけるより大きな役割および責任を果たす」と明記され、「日米両国は、あらゆる形態のテロリズムの行為を強く非難し、グローバルな脅威を与えているテロ集団との戦いのための両国の協力を強化する」とされている。さらには「日米両国のおのおのの役割、任務および能力の見直しを通じたものを含め、日米同盟をさらに強化するための方策を特定する」ために安全保障協議委員会(2プラス2)を開催するとしている。言わんとするところは、日本は自衛隊の増強に努め、「テロとの戦い」をはじめ、米軍を助けてより大きな役割を果たすということではないか。既に安保法制によって現実のものになっている自衛隊の海外での武力行使の懸念が、トランプ政権下で一層強まっていく。
     沖縄の基地集中の問題も看過できない。米軍普天間飛行場の辺野古移設では、共同声明に「普天間飛行場の継続的な使用を回避するための唯一の解決策である」と、わざわざ「唯一の解決策」との文言が盛り込まれた。安倍首相の訪米に先んじて来日したマティス米国防長官も「プランは二つしかない。一つは辺野古。二つ目も辺野古だ」と言い放った。共同声明といい、マティス長官といい、沖縄の人々の心をどれだけ逆なですれば気が済むのか。「辺野古の海は日米への貢ぎ物ではない」−。日米首脳会談の社説を琉球新報はこう結んでいる。