ニュースと論評

本土紙は沖縄のできごと=日本全体の問題をなぜ無視し続けるのか

10月13日、管見の限りの社説。あまりにも少なすぎるのではないか。
安倍政権は「同型戦闘機を運転停止にした」と得意げに語る。しかし、読売新聞によると、「読売新聞:不時着米軍ヘリ同型機、96時間飛行停止…調査」とある。(昨日の「報道ステーション」も米軍海兵隊報告書をもとにそう報道した)
本土紙は選挙期間中ということもあるのだろうが、あまりにも安倍政権に「忖度」しすぎる。当の本人は籠池さんに対して人格を否定する発言を「党首討論」の場で平気でする。今回の総選挙の争点は「安倍政権の是非」ではないのか。そう読者に語ったのかうそか。
以下、12日の社説を並べる。
毎日新聞:<社説>沖縄米軍ヘリ不時着事故 基地集中の理不尽さ再び
https://mainichi.jp/articles/20171013/ddm/005/070/048000c
東京新聞:<社説>米軍ヘリ炎上 危険が身近にある現実
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017101302000137.html
信濃毎日:<社説>米軍ヘリ炎上 不安置き去りにするな
http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20171013/KT171012ETI090007000.php
京都新聞:<社説>米軍ヘリ炎上  沖縄だけの問題でない
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/index.html
中国新聞:<社説>米軍ヘリ炎上 基地のリスク、どう軽減
http://www.chugoku-np.co.jp/column/article/article.php?comment_id=380273&comment_sub_id=0&category_id=142
西日本新聞:<社説>沖縄基地問題 本土も自分の争点として
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/syasetu/article/365580
佐賀新聞:<論説>米軍ヘリ事故 負担軽減と言えぬ実態
http://www.saga-s.co.jp/articles/-/135567
南日本新聞:<社説>[米軍ヘリ事故] おざなりの調査許すな
http://373news.com/_column/syasetu.php?storyid=87647
琉球新報:<社説>高江米軍ヘリ炎上 海兵隊の撤退求める
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-592175.html
沖縄タイムス:<社説>[米軍機炎上]捜査拒否 地位協定改定しかない
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/155588


新聞は役割を放棄した

10月10日、衆議院選挙公示、12日には共同通信は「各党の推定獲得議席数」を発表。選挙は「賭け事」ではない、政策を見極める大切な国民の参政権の一つ。
今回の選挙を各紙とも、「安倍政権の是非を問う」選挙と位置づけた。それにもかかわらず、公示2日後には選挙予想が発表される。各紙とも、どれだけ、この5年間の第2次安倍政権を判断する材料を国民に提供したといえるのか。
投票日までまだ10日はある。国民はどのような判断のもと選挙権を行使するか思考している。それにもかかわらず、「予想議席」を出されると、投票意欲を失う。
「安倍政権の是非を問う」という、安倍政権に対決するようなポーズを出した以上、それに値する報道をすべきだ。いたずらに「議席予想」は出すべきではない。ちまたでは、「選挙バクチ」があるときく。それならなおのこと、そのような風潮を助長すべきではない。新聞社としての役割を果たすべきだ。


衆議院選挙:メディアは公約を明示してほしい

 安倍首相は、9月28日、臨時国会で冒頭で衆議院解散・総選挙を述べるとの報道あり。この暴挙には断固として抗議したい。
 同時に、メディアに注文したい。「議席獲得予想」は出さないでほしい。有権者の選挙行動に影響を与えかねない。
 すでに、「衆議院解散総選挙で自民公明は大幅減?3分の2議席維持は困難、小池新党は準備不足で伸び悩み」http://saigaijyouhou.com/blog-entry-18353.htmlがある。
 選挙がメディアには「一種のばくち」みたいな感覚なのかと思ってしまう。メディアの役割は、候補者がどのような公約を掲げているのか、また、現職議員についてはどのような国会活動をしたのかを知らせる必要があるのではないか。
 とくに、安倍政権においては、毎回、選挙で公約に出していないことが、選挙後に突然提出し、国会審議不十分なまま、強行採決の連続だった。
 山尾さん、野田さんの件はいい。それよりも、安倍政権を存続させていいのかの国民的議論のための選挙情報を提供してほしい。選挙棄権につながる「議席予想」はやめてほしい。


選挙報道への疑問

毎回、国政選挙で思うのですが、メディアは「議席予想」にこだわるのでしょうか。これって、一種の「ばくち」のすすめではないでしょうか。少なくとも、私は、選挙期間中にこのような報道を必要としていない。
私が必要とするのは、どの政党(立候補者)に入れるべきかを判断する資料。とくに現職議員には、4年前の公約をどのように実現したか(実現しようと努力したか)、議会での発言内容・採決行動の紹介を報道してほしい。
そうすると、「選挙だけいいことをいう人か、議会でも公約実現のためにがんばっている人か」がわかり投票行動もしやすくなる。
これが「中立・公正」に違反するとは思えない。そのような主張こそが事実を隠そうとする「中立・公正」に反するのではないか。
いずれにしろ、今の選挙報道は、国民が主権者として選挙行動をするものになっていない。改善を求める。


5月29日、毎日新聞の「風知草」を批判する

共謀罪についてのコラムはこれで4回目になるという。私は4回とも「熟読」しましたが、なぜ、共謀罪が必要なのかわからない。前回、山田さんの主張に応えて、条約を締結・批准しても国内法整備をしていない例を挙げました。
なぜ、国際組織犯罪防止条約には国内法整備が必要なのですか。外務省のHPには、この条約の必要性を「近年,交通や通信手段の高速化,金融,ITサービスその他のネットワークの広がりに伴い,急速に複雑化,深刻化している国際的な組織犯罪に効果的に対処するために,各国が自国の刑事司法制度を整備・強化し,国際社会における法の抜け穴をなくし,国際的な組織犯罪の防止のための国際協力を推進する必要性が高まり,国際的な規範作りが求められるようになりました。」としてあります。どこにも、「テロ」ということばはありません。
また、人権委員会は総会の補助機関にすぎないという主張を国際社会の場で堂々といえますか、それこそ、世界の笑いものです。子どもの権利条約、「慰安婦」問題などこれらは人権委員会からの勧告です(日本政府は無視していますが)。人権委員会の国連での役割は重要視されています。
また、国立国会図書館は、多くの政府が締結しているにもかかわらず、日本政府が締結していない条約を紹介しています。これらをみた場合、日本はいかに国連を軽視しているかがわかります。分担金という資金の面での貢献よりも、「平和」、「人権」、「貧困」問題などに日本政府がどれだけのことをしたのか(していないのか)をしっかりふまえたうえで、条約遵守の論議をふまえてほしい。
また、前回紹介された条文には、「憲法の最高法規」も書かれています。憲法学者・国際法学者の多くは、「憲法に合致しない条約は締結すべきではない」と主張しています。
条約の趣旨から逸脱した「テロ」を持ち出し、共謀罪の必要性を主張するのは本末転倒です。ちなみに、秘密保護法制定のとき、石破茂さん(当時、自民党幹事長)は、秘密保護法制定に反対する人々を指して、「テロリスト」とよびました。
共謀罪への疑念が絶えないのは、このような発言があるからです。政府批判者は「テロリスト」なのか。そうでない証明をしてほしい。

風知草「国連特別報告者って?」(山田孝男)
https://mainichi.jp/articles/20170529/ddm/002/070/073000c


5月15日、毎日新聞の「風知草」に疑問がある。

安倍首相の5月3日のメッセージなどから、推測してコラムを書くのはやめてほしい。その後、安倍首相はどのような国会答弁をしたのかをふまえて書いてほしい。そうしないと、読者へ誤った見解を広めることになる。小池晃議員への答弁は安倍首相の本音がでていると思う。(1)自衛隊を憲法学者の多くが違憲だといっている。中学公民教科書にも違憲と書いてある(これは明らかなまちがい)。その状態を解消するために提案した、(2)自衛隊の活動については明らかにしなかった、(3)12年自民党憲法案は公式・歴史的文書だから撤回しない などの答弁をしている。ましてや、第98条を持ち出して、「自衛隊=憲法違反」といえば、自衛隊は即なくなると答弁した。山田さんは国会答弁をふまえて書いているのかと疑念が深まる。
戦争法が施行され、自衛隊は「専守防衛」の組織ではない。小池議員が質問したように、「3項に自衛隊を明記すると、2項との矛盾が生じる」。そのよな自衛隊の位置づけ、活動範囲の拡大を憲法で無条件に認めることになる。法律論はどうか知らないが、憲法論からすると矛盾を含んだ提案だ。

2017年5月9日 参院予算委員  安倍首相の改憲発言について 小池晃議員の質問
http://www.a-koike.gr.jp/?page_id=201


なぜ新聞社は役割を見失ったのか?

日本の新聞社はもはや政府の御用新聞になりさがった。事実をもとに証明する。「沖縄県:オスプレイ空中給油再開」と「釜山日本領事館に設置された少女像」に関する社説の数。
1月7日現在、オスプレイは沖縄県の2紙を除くと、全国紙は全く、本土地方紙は4紙だけ。
一方、少女像に関しては、全国紙はすべて書いた。地方紙も管見の限り8本もある。
オスプレイは日本政府は容認している。
少女像設置は日本政府は批判している。新聞社説も政府と同様な見解を述べている。もっと、おもしろいことは、1月7日、「毎日」、「南日本」ともトップ記事あつかい。見出しも同じ。これって偶然、それとも~。
オスプレイ問題は日米同盟に関わること、少女像問題は日本政府の戦争責任に関わること。日本全体が考えないといけないこと。なのに、政府見解に沿った社説しか書けないなんて異常だ。教科書記述に政府見解をもとにしろと検定基準が設けられたときに反対の論調をあげたこととは全く違う。
戦後50年に、多くの新聞が、アジア・太平洋戦争に新聞社も加担したことを反省した連載があった。戦後70年にはそれをお目にすることはできなかった。「安倍談話」を評価する社説が並んだのにはあぜんとした。
秘密保護法反対の論を張ったが、その後、「明日、ママいない」、「小保方問題」、「美味しんぼ」などで政府と同じ論調で攻撃した。あのときが、新聞社の自滅の始まりだったのかもと、私は思う。
新聞社の役割は政府批判、憲法のもとに政治・経済・教育などがすすめられているかをチェックすること。もう一度、その原点にかみしめてほしい。


新聞社のすべきことは、読者に、政党や候補者が玉虫色で語る公約の本質を明らかにすることだ。

参院選序盤情勢「改憲勢力2/3うかがう」、しかし参院選後の改憲「反対」45%、安倍首相の下で改憲「反対」48%―在京各紙の報道の記録
    http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20160624/1466725161

今日の新聞は何だ。1面トップ記事に、「参議院選挙 序盤情勢」を書く必要があるのか。
昨日、参議院選挙は公示された。その翌日には、選挙結果予想が発表。
これって、「選挙に行っても無駄ですよ」といいたいのか。
新聞各社は、選挙のたびに、序盤、中盤、最終の選挙結果予想を出す。選挙が終われば、政党は政策を明確にしなかった、有権者は政治に無関心とまとめる。これは毎度のこと。
新聞社の役割は、有権者に、いかに選挙に足を運んでもらえるか、公約だけではよくわからない内容を説明し、今回の選挙の意義を明確にし、争点を明確にすることではないか。それを放棄するなら、政府の監視役としての新聞社の役割を放棄したと同じだ。

昨日の南日本新聞。報道本部長の署名記事。「多岐にわたる焦点 議席を託せる政策を示せ」
参議院選挙が公示された。焦点は安倍晋三首相が目指す憲法改正や安全保障関連法、環太平洋連携協定(TPP)等の是非、経済政策アベノミクスの評価など多岐にわたる。選挙戦では各党と各候補がこれらについて、主張や展開する政策を国民に具体的に示す重要な機会である。
これを払しょくするのが政治の力である。10代有権者が議席を託せるように、分かりやすく具体的な政策と安心して暮らせる未来像を示してほしい。そうでなければ選挙年齢を引き下げても、政治が若者の信頼を失い、投票率はいずれ低下しかねない。
有権者は各党、各候補の政策をしっかり聞き、見極めて1票を投じたい。政治への不満を日常口にするだけでなく、主権者としての責務を果たし、参世したい。

一見、当たり前の見解に思える。しかし、問うていることは、政党・候補者よ、しっかり、わかりやすく公約を語れ、有権者はそれをしっかりと判断して投票せよ。じゃ、新聞社の使命・役割は~、ノーコメント。
このような記事を選挙のたびに読まされる。そして、選挙が終わると、有権者の政治離れと人ごとのようなコメント。新聞社が投票率を高めるために何をしてきたのか問いたい。
選挙期間中は法律のしばりがあり、自由な選挙活動、選挙報道ができない。じゃ、そのことも報道していいのじゃないか。報道したくても法律のしばりがありできないと。そのことで、読者に、日本の異常な選挙のありかたを考えてもらう絶好の機会だと思う。新聞社が選挙中にできることは多岐にわたる。

私は、選挙予想を出すことは無意味だと確信する。新聞社のすべきことは、読者に、政党や候補者が玉虫色で語る公約の本質を明らかにすることだ。それは、前の参議院選挙の時の公約と国会での行動を比較することでもできる。実際、東京新聞は、戦争法に賛成した国会議員をいまだにインターネット記事で紹介している。


『沖縄の自己決定権』刊行1周年トークイベント

『沖縄の自己決定権』刊行1周年トークイベント

■新垣 毅(琉球新報社 東京報道部長)さん
   ×
■阿部浩己(神奈川大学教授)さん

◎沖縄は「自立」へ漕ぎだすのか—国際法からみる沖縄の自己決定権 

 開催日時:2016年5月26日(木) 19時00分〜(開場18時30分)
 開催場所:東京堂書店 神田神保町店6階 東京堂ホール
 参加方法:参加費500円(要予約)

ネット予約(東京堂書店へ)http://www.tokyodo-web.co.jp/blog/?p=11203

プロフィール
新垣 毅(あらかき・つよし 琉球新報社 東京報道部長)

1971年那覇市生まれ。琉球大学卒、法政大学大学院修士課程修了(社会学)。琉球新報
社で県議会・政治部デスク、文化部記者兼編集委員などを経て現在、東京報道部長。著書
に「沖縄の自己決定権」(高文研)

阿部浩己(あべ・こうき 神奈川大学教授)

1958年 東京都伊豆大島生まれ。早稲田大学大学院法学研究科修了。 博士(法学)。バ
ージニア大学法科大学院卒業。神奈川大学教授。日本平和学会20期会長。国際人権法学会
前理事長。近著に『国際法の暴力を超えて』(岩波書店) 『国際法の人権化』『国際人
権を生きる』ともに信山社)

主催:平和の棚の会

沖縄は自立へ漕ぎ出せるのか?


安倍首相の核兵器政策を問う

多くのメディアは、オバマ大統領の広島訪問は安倍政権の「成果」、オバマ大統領がどのような演説をするのか期待するとある。こんな本末転倒だ。私は、安倍首相の核兵器政策を問いたい。(1)安倍首相は、核兵器の惨状をどの程度認識しているのか。(2)安倍首相は、核兵器の惨状に苦しんだ、苦しんでいる人々にどのように対応したか。(3)安倍首相は、核兵器使用禁止(非核三原則)の実現のためにどのようなことをしてきたか。これらを問わず、オバマ大統領の発言に期待するなんて、ちゃんちゃなおかしい。
G7外相、教育相、環境相会合で、日本は世界をリードしているかの報道が目立つ。
また、サミットを口実に、日本は戒厳令下におかれているとの指摘を、日経新聞は、「5月13日 日経新聞:胃心伝真=戒厳令:「今、日本で一番安全な町は三重県の伊勢市と志摩市だ」といわれる▼開催(26、27日)まで2週間を切った「第42回先進国首脳会議」(通称=伊勢志摩サミット)に向けて、両市ではすでにさまざまな警備体制を敷き、まさに戒厳令に近い状況にある▼同サミットでは世界経済情勢や北朝鮮の核問題などが話し合われる予定だが、特に今回はオバマ大統領が米国大統領として初めて広島にも訪れるといったことも大きな話題となっている▼それだけに注目度は極めて高く、テロへの警戒感も尋常ではない。」と報じた。
安倍政権は、熊本地震をきっかけに、憲法に緊急事態条項を、と主張している。まさに、サミットを通して、既成事実化している。ほとんどの新聞は無視している。
また、沖縄日本復帰について、社説を書けた本土紙は、東京新聞、信濃毎日、愛媛新聞のみ。これも異常な状況だと思う。
5月16日の朝日新聞社説「「1億総活躍」社会 消費増税の支えが必要だ」には、もう笑いが止まらなかった。そのうち、無性に泣けてきた。
新聞が政府に迎合したなあと思う、今日このごろです。