御殿場発

【御殿場発】現実味帯びるオスプレイ訓練「キャンプ富士」抱える御殿場市

 静岡県御殿場市の東富士演習場と隣接の米軍施設「キャンプ富士」で計画されている米軍新型輸送機MV22オスプレイの飛行訓練が現実味を帯びてきた。地元側は、昨年末の国との協議で「現段階では了承していない」としながらも、「飛行実態の継続的な検証」を条件に事実上容認する構えをみせている。若林洋平市長は近く沖縄を訪れ、騒音問題など「現地の生の声を聴きたい」考えで、訓練実施に向けての地ならしが進みそうだ。

 ▼一方的通告に反発
 キャンプ富士での訓練が国から具体的に示されたのは、昨年11月の全国知事会議の席上。当時の森本敏防衛相が個別名を挙げて計画に理解を求めた。これに対し、川勝平太知事は「地元無視の一方的な表明だ」と強く反発。「事前に何度も県には説明した」とする国側と、泥仕合のような応酬を繰り広げた。 12月に行われた地元と国との協議で、若林市長ら地元側は常駐前提の「配備」や「新たな訓練負担」を拒否する一方、従来通りのヘリの運用には柔軟な姿勢も示し、最終的に森本防衛相から「国が全面的に責任を持つ」との言質を取り付けた。安倍晋三政権発足後の今年1月には、小野寺五典防衛相からも同様の方針を確認している。

 ▼平静な市民
 市民の反応も今のところ目立った反対運動はなく、いたって平静だ。駅周辺に住む50代の女性は「頭の上を飛ぶので怖いといえば怖い。でも、ここでなければ訓練ができないというなら仕方がない。何でも反対とは言えない。御殿場には昔から自衛隊さんもいるし、米軍の基地もあるし」と話す。老舗食品店の70代の女性も「できれば来ないほうがいいけど、沖縄だけに負担をかけるのは本土としても勝手が強すぎるのでは。安全が確保されるなら受け入れるしかない」と複雑な表情だ。
 御殿場では1997年にも沖縄県金武町の米軍キャンプ・ハンセンで行われていた県道104号越え実弾射撃訓練(104訓練)の本土分散移転を受け入れている。市内の70代の男性は「訓練が増えても(市民生活は)ほとんど変わらなかった。やはり沖縄だけにおんぶに抱っことはいかない」と言う。

 ▼沖縄の負担軽減になるのか?
 だが、御殿場でのオスプレイ訓練が沖縄の負担軽減につながるかは未知数だ。実際、104訓練移転後も、金武町には別の新たな複合訓練施設が出来るなど、本質的な解決にはつながらなかった。
 今回の訓練受け入れで日米の基地共用化が一層進む懸念もあり、「キャンプ富士返還」という地元の悲願はさらに遠のくとの見方も出ている。 (空)