ご意見紹介:ニュースと論評

【ご意見紹介】メディアこそ改革を

民主党政権樹立とともに、新しい政策実現に向けて矢継ぎ早に実行に移されております。55年体制で積み重ねられた汚れた土を取り除くのは大変な努力を要しますが、改革を求めた私達国民の選択の力を持って側面から応援していく必要があります。やっと民主主義政治を国民の手に取り戻したのです。

そのためにも各分野にわたってすべての事実の情報を開示し、解明をし、問題点を洗い直ししなければなりません。これらの仕事を行うためには、権力・行政の一番近くにいて日々取材・報道をしてきたメディアの役割ほど重要なものはありません。そのような「政治・行政」の権力の監視役としてのメディア、「国民の知る権利に奉仕する」メディアとして、今までその役割を十分果たしてきたと言えるでしょうか。あらためて問いたいと思います。

長年にわたる55年体制が積み上げた財政赤字をはじめ、自民党政権が行ってきた日米同盟を軸にした安全保障体制(沖縄基地をはじめイラク・アフガニスタンへの軍事協力・海外派兵など)、貧困格差の増大、社会保障制度の停滞など、日本国憲法が掲げる「反戦平和・人権・民主主義」の実現とはかけ離れつつある時、権力・行政に一番近くに位置し、情報を独占してきた記者クラブにいたメディアは、どれだけ国民の立場に立って正面から闘ってきたのでしょうか。長年の馴れ合いや悪しき習慣から、時には権力・行政の広報役を務めていたのではないでしょうか。

民主党新政権の目指す「改革」は、単に権力・行政の改革だけでなく、国民の政治への意識の改革をも求めており、何よりも権力・行政と国民の間の橋渡し役であるメディアの改革を求めています。新政権発足後のメディアの報道姿勢を見る限り,施策が実行出来るかどうかの消極的・否定的な取材・報道が多く、そこには55年体制での悪しき取材・報道への反省や、自ら報道してきた戦後55年の報道内容の検証すら見えてきません。

権力・行政の取材現場を中央から地方に至るまで独占してきた記者クラブの解体と、すべての取材・報道を自由に開放した、新たな取材・報道の場を築いていくことが、我々国民に正確な情報を伝えるメディアの義務であると思います。

21世紀のグローバル時代、世界の情報を正確に伝え、また海外に発信するメディアの役割は大なるものがあります。憲法で保障された言論表現の自由,報道の自由は絵に書いた餅ではありません。多くの国民の支持と協力の下に、メディアは国民の視線に立って、権力・行政と対峙していって欲しいと願っています。新しい皮袋には新しい水を、メディアの改革を国民は期待して見守っています。
(鎌ケ谷市在 ジャーナリスト 山崎克己)