ニュースと論評:憲法をめぐる動き

世界社会フォーラム07・ナイロビで平和憲法を討論(2)

「アフリカは『憲法9条』を歓迎する」

9条キャンペーンに確信と支持広がる

「世界社会フォーラム(WSF)2007ナイロビ」は、4日目の24日昼、ピースボートと国際法律家協会が企画した「非戦へのグローバル9条キャンペーン」(Glovbal Article9 Campaign to Abolish War )の第2セッションが開かれた。
22日のワークショップを受けて、この日は約30人が参加、日本国憲法9条の戦争放棄と非武装の原則についての意義と、それをどう広めていくか論じあった。

      
  司会の川崎哲さんのほか、パネリストは、オーストラリア出身の南山大学社会倫理研究所のM・シーゲル研究員、スペインのパブロ・アリアさん、ドイツのアネロワ・トルケさん、それに、コスタリカのロベルト・サモラさん。

 シーゲルさんは「憲法9条の改正は戦争を可能にするということで、日本は恐れられる国になる」、パブロさんは「スペインのカタロニアでは、平和の増進と平和文化の運動を進めてきた。それを議会に反映させる運動が広がっている」と報告。トルケさんも「ドイツは2つの国が一緒になった。基本法には戦争放棄の規定があるが、軍があるため守られてはいない。連帯して非戦の9条キャンペーンを広げたい」、ロベルトさんは「コスタリカは1949年から軍隊がない。しかし、危険ではない。憲法9条の考え方は、世界共通の平和政策だ」と強調した。

▼アフリカから次々の発言
 パネリストの発言を受けて、最初に立ち上がったのは、ケニアからの参加者。続いて、ウガンダ、ガーナなどアフリカの参加者が次々と発言した。
 「アフリカには多くの問題があるが、問題のほとんどは『北』の国々が持ち込んだものだ。各地の民族紛争も外国からの武器の供給によって、起こされているものだ。憲法9条の考え方をアフリカで広めなければいけない」
 「先進国は武器をアフリカに輸出している。なぜこれを禁止できないのか」
 「アフリカの問題には、イデオロギーや宗教による戦争、石油や金など資源をめぐる問題、そして、貧困、医療などの問題がある。戦争をなくすには、憲法9条のように、武力をなくし、戦争をしないようにすることが大切だ」
 「平和の問題では、女性の役割が重要だ。戦争をやめ、武力をなくす考えを広めたい」など。

 また、パネリストや欧州の参加者からも、「自由貿易が武器の輸出を可能にしている。憲法に新しい条項を付け加えるのは容易ではないが、武器輸出の禁止はできるはずだ」
 「日本では憲法9条がなくなれば、武器の製造も輸出も拡大されるだろう」
 「憲法9条をどうするか、というが、憲法は紙を破るように破ることができる。大切なのは、その考え方をどう現実化していくか、ということだ」
 「軍事費は全世界で1兆ドル。これを教育や福祉に回せば、世界はもっと人間的なものになる」
などの意見が出された。

 討論の最後に、川崎さんが「憲法9条が変えられようとしている問題は、単に日本だけの問題ではなく、世界的な問題だ。アフリカをはじめ、あらゆる地域の紛争を武力なしで解決するための声を広げたい」と締めくくった。
2つのセッションの討論を終えて、司会を務めた川崎哲さんは「9条の考え方がアフリカの問題の解決のための唯一の道だ、と確認できたことは、予想以上の成果だった」と総括していた。
(ナイロビで、丸山重威、伊藤洋子)