今週のひと言

被爆者が遺したもの

 華やかなワンピースやブラウス。遺品たちが放つ無言の叫び??。
 東京の岩波ホールで上映中の映画「ひろしま 石内都・遺されたものたち」は、被爆者の遺品を題材にしたドキュメンタリー映画だ。
 広島平和記念資料館に保管されている被爆者の遺品。それを撮り続ける写真家の石内都さん。そして、カナダのバンクーバーで開かれた石内さんの写真展を見に来た人々の表情を映画は静かに映し出す。監督したリンダ・ホーグランドさん=米ニューヨーク在住=自らが写真展を企画し、大学の博物館に持ち込み、1本の映像作品に仕上げた。米国が核兵器を落としたことに対する「私なりの無言の反論」とホーグランドさん。「原爆投下によって戦争が終わった」という論理を繰り返す人々がいるが、「私は感性で訴えたかった」という。
 戦後68年目の夏がやってきた。戦争の記憶が風化されつつあるいま、ジャーナリズムはどう平和を伝えていくのか。ホーグランドさんと石内さんの仕事は、一つのヒントを与えてくれる。同作品は3日から広島でも公開。