今週のひと言

「焦点」より「争点」を

 参院選も最終盤。新聞各紙が「情勢」を書いている。「自公70台安定多数へ 民主20前後、共産勢い」(毎日17日)「衆参ねじれ解消確実 自公優勢を維持 民主は依然苦戦」(読売17日)「与党、過半数は確実 自民、改選議席倍増の勢い 民主、20議席割れも」(朝日18日)だという。
 アベノミクスにしても、原発再稼働にしても、憲法やTPPや消費税にしても、問題はますます大きくなり、これらの問題についての自民党の政策への反対論や疑問が伝えられているのに、なぜ、こんなに自民党が支持されるのか?
 まずいと思うのは、選挙戦を通じて、報道はやっぱり「どちらが勝つか」「ねじれ解消か」「自公過半数か、自民単独過半数か」といった競馬の予想のような報道が中心で、「有権者は何を基準に判断すべきか」にどの程度踏み込んで報じていたか、だ。確かに続き物などで、憲法やTPPや原発を取り上げ、各党の主張を並べているが、そこで社の姿勢を読み取るのは容易ではない。ここでは、「客観報道」は、「主張する新聞」に負けているのではないだろうか。大事なのは、「選挙の焦点」ではなく「問題の争点」だ。
 中選挙区時代、よく言われたのは「アナウンス効果」で、「横一線」とか「競り合っている」と書かれれば有利、逆に「安泰」とか「独自の闘い」と書かれると不利になる、ということだった。それが小選挙区制で変わった。「圧勝の勢い」などと書かれれば、「バンドワゴン現象」あるいは「勝ち馬現象」で、その勢いが強くなってしまう。さて、今回の参院選はどうか。