今週のひと言

取材拒否にスクラム組み対抗を

 参院選公示日の4日、自民党がTBSの取材を拒否することを唐突に発表した。通常国会閉会に関する報道が公正さを欠いていたとの理由。翌5日、TBS報道局長名で文書が自民党の石破茂幹事長に提出されたことを受けて、同党は取材拒否を解除する。TBSの文書は「御党より指摘を受けたことについて重く受け止めます」「今後一層さまざまな立場からの意見を、事実に即して公平公正に報道して参る所存です」としており、謝罪の文言は明記していない。だが自民党は「総裁・幹事長室」名で「本回答、またこの間、数次にわたる報道局次長、政治部長はじめ報道現場関係者の来訪と説明を誠意と認め、これを謝罪と受け止めます」との文書を発表した。
 特定のメディアへの不利益な扱いはとりあえず解消された。だが、これで決着していいわけがない。報道の自由、さらには「知る権利」や「表現の自由」の根幹にかかわる「取材拒否」という手段の是非が問われないままになっている。取材を拒否するのも、それを解くのも自民党の思うがまま、ということで終わってしまっていいわけがない。
 選挙戦のただ中ということもあってか、その後はこの問題についての報道を目にしない。この1週間、メディアの側では労組(民放労連や新聞労連)が自民党に抗議する声明を発表しているが、各メディアがこぞって抗議の意思表示をするような展開にはなっていない。こんな時こそマスメディアは、真に字義通りの「メディアスクラム」を組んで対抗し、取材拒否の非を自民党に認めさせ、2度とやらないことを確約させるべきだ。このままでは政治報道に委縮が起こる。