今週のひと言

主権者はだれ

 「誰かの被害や犠牲がなければ世の中は変わらないというのではなく、情報公開を使って何かが起きることを防ぐ。それが未来をつないでいく」
 東京で先月、「日隅一雄・情報流通促進賞」の表彰式があった。第1回大賞に選ばれたのはNPO法人「情報公開クリアリングハウス」。東京電力福島第1原発事故で福島県が実施した子どもの甲状腺検査で、市町村別の判定結果一覧表を情報公開条例によって開示させた。冒頭に紹介したのは、代表の三木由希子さんの言葉だ。そして三木さんは「情報公開はあくまでも出発点。私たちはスタート地点にさえも立っていない」と強調した。
 原発事故で情報公開を訴え、胆のうがんでこの世を去った弁護士の日隅一雄さんがこの世を去って1年が過ぎた。同賞は「表現の自由や主権在民」のために闘った故人の遺志を継ごうと、仲間の弁護士やジャーナリストらが基金を創設し、企画した。
 「私たちは改憲反対、反原発でやわらかくまとまることはできないのですか」。同賞の選考委員を務めた作家の落合恵子さんは、講評の最後にこう述べた。
 注目の参院選が4日、公示された。主権者はだれなのか。私たち一人ひとりがこの国の未来を決めることを肝に銘じたい。