今週のひと言

遵法精神が欠如している

 国連の拷問禁止委員会は、拷問等禁止条約の実施状況に関する第2回日本政府報告について5月31日に総括所見を発表した。以下はその一部抜粋。
 「警察留置場拘禁期間に上限を設けること」「日本の刑事司法制度が実務上、自白に強く依存していること等に深刻な懸念」「難民申請者の収容は、最後の手段として必要最小限のみ用いること及び収容期間に上限を設けること」「拘束具の廃止の検討」「死刑確定者及びその家族へ死刑執行日時の事前告知」「死刑確定者が全手続段階で弁護人による効果的な援助をうけること」「死刑制度を廃止する可能性についても考慮する」、そして「戦時性奴隷制について、政府関係者その他の公的立場にある人物による被害事実を否定する動きに反駁すること」…。ちなみに日本政府の対応は、以下の朝日新聞報道のようだ。
 〈安倍内閣は18日、旧日本軍の慰安婦問題に関する国連の拷問禁止委員会の勧告について、「法的拘束力を持つものではなく、締約国に従うことを義務づけているものではない」とする答弁書を閣議決定した。紙智子参院議員(共産党)の質問主意書に答えた〉
 同条約の批准国である日本は、勧告された内容について改善に向けた努力義務を負っているはず。この国の権力者たちは遵法精神が欠如していると言わざるを得ない。だから軽々に憲法改正など口にできるのだろう。
 この拷問禁止委員会の対日審査の席上で「日本の人権状況は先進的」と答弁して場内の失笑を買った上田秀明・人権人道担当大使が「シャラップ(黙れ)」と叫んだことが報道されている。上田大使には「平成の松岡洋右」にならぬよう、くれぐれも自重願いたい。