今週のひと言

社論はいいが「御用」化していないか

 安倍晋三首相が夏の参院選で、改憲の発議に衆参両院の議員の3分の2の賛成が必要とする96条の改正を争点にしようと意気込んでいる中で迎えた3日の憲法記念日。全国紙5紙の社説の見出しを並べてみた(各紙のサイトから引用)。▼朝日:憲法を考える?変えていいこと、ならぬこと▼毎日:憲法と改憲手続き 96条の改正に反対する▼読売:憲法記念日 改正論議の高まり生かしたい▼産経:統治機構と憲法 間接選挙で参院再生を 「地域主権」は国の統一そぐ▼日経:改憲論議で忘れてはならないもの。朝日、毎日は96条改正へ「反対」を明示。対して改憲が社是の読売、産経は、96条改正への賛意にとどまらず、その先にある改憲の具体的な内容にも力点を置いている。安倍首相と政権への高い支持から、改憲が現実の政治日程に上るのは確実とみての余裕だろうか。9条改正の主張に多くの行数を割いていないのも、鎧を衣の下に隠しているようで、例年と趣が異なる印象を受ける。だが、2日付で朝日が報じた世論調査結果によると、96条改正は「反対」54%、「賛成」38%と差がついた。3日付の毎日の世論調査でも「反対」46%で「賛成」の42%を上回っている。新聞が社論を持つこと自体はいい。だが社論にこだわるあまりに、民意から離れて権力の後押し(御用)に回るとしたら自殺行為だ。