今週のひと言

イラク戦争から10年

 「イラク侵攻はなぜ行われたのか。日本でも調査委員会を発足させ、真実の追及をしてもらいたい」
 イラク戦争開戦から10年の20日、「日米イラク戦争の正体」と題する集会が東京の早稲田大学で開かれた。冒頭の言葉はゲストスピーカーで、英国の「反戦軍人家族の会」の設立メンバー、ローズ・ジェントルさん(48)の訴えだ。英軍兵士だった息子(当時19歳)がイラクで戦死。「仕事がなく、軍の勧誘で入隊し、わずか半年後の出来事だった」という。だが、その後、戦争の大義名分だった大量破壊兵器がなかったことが判明した。イラク戦争への参加を決めたブレア元首相の責任を問う訴訟を起こし、現在、高裁の判決を待っている。ローズさんらの行動が世論を動かし、英国ではイラク戦争を検証する調査委員会が設立された。
 「息子が死んだ理由を明らかにしたいのは母親として当然なこと」とローズさんは語る。大義名分さえない戦争に自衛隊を派遣した日本政府の責任はどうなるのか。きちんと検証すらせず、あいまいなまま過ごしてきたこの10年。政府だけでなく、マスメディアもローズさんの訴えにしっかり耳を傾けるべきだ。