今週のひと言

世論は改憲不要論が多数

 安倍晋三首相が、任期中の憲法改正の実現に積極発言を繰り返す中で迎えた今年の憲法記念日。東京発行の新聞各紙の5月3日付け朝刊では、朝日、毎日、日経(テレビ東京と合同で実施)が、憲法改正の是非を問うた世論調査結果を載せているのが目を引いた。特に朝日は電話調査ではなく、郵送で詳細な調査を実施している。前夜はNHKも同じ世論調査の結果を報じた。結果は次の通りだ。
▼朝日:「変える必要がある」37%「変える必要はない」55%
▼毎日:「改正すべきだと思う」42%「思わない」42%
▼日経:「改正すべきだ」40%「現在のままでよい」50%
▼NHK:「改正する必要があると思う」27%「改正する必要はないと思う」31%
 改憲不要論と必要論が拮抗している調査結果もあるものの、おおむね不要論が多数と言える。しかも、例えば朝日新聞調査では、「変える必要はない」が昨年の調査の48%から7ポイント増え、「必要がある」は43%から6ポイント減るなど、改正に慎重・消極的な意見が増える傾向を見せた調査が複数ある。ほかにも、朝日の調査や、4月末に共同通信が報じた調査結果では、「安倍晋三首相の下での憲法改正に反対」の回答が、賛成を大きく上回っている。世論の間で改憲の機運が高まっているとは到底言えない状況であり、安倍首相が改憲に前のめりになればなるほど、世論はむしろ慎重さを増すことが読み取れる。
 オバマ米大統領の広島訪問が決まり、内閣支持率が上がると見越して、安倍首相は夏の参院選に合わせた衆参同日選を本気で考えているかもしれない。もしも、首相が憲法改正を口にしなくなったら要注意だろう。選挙では耳当たりのよい経済政策などを前面に出して戦い、改憲勢力が3分の2を占めて発議が可能になれば、一気に改憲へと突っ走るだろう。「憲法改正が必要だと繰り返し言っていたはずだ」と開き直りながら。安保法制でも使った手だ。もうだまされるわけにはいかない。