今週のひと言

ニュースの「置き換え」「すり替え」

 ニュース・バリューを一元的に考えることはできないから、全く無視することはできないにしても、17日の清原和博被告の初公判、佐々木主浩氏の証人出廷騒ぎの扱いは異常ではなかったのか。参院予算委では昨年の安保関連委の議事録問題も議論された。翁長知事の訪米会見も、自民党の軍事研究拡大提言もあった。重大な問題があるときに、別の話題で目をそらされる、そんな例だ。
 そしていま、問題はそんな単純なことではない。今週の出来事だけでも、ニュースが次々と流れ、新しい話題が提供されることで、大事なニュースが後景に引いて、忘れられる。そんなことが多すぎないか? 
 ・熊本の地震はいまも続き震度1以上の地震は1500件を超えた。福島原発事故の解決策は見えないままなのに、川内原発は動き続け、まだ救援は進まない。
 ・伊勢志摩サミットはアベノミクスのごまかしに使われ、オバマの広島訪問は、ちゃっかり安倍の宣伝に使われる。「未来志向」を言うなら「核廃絶の未来」だが、「日米同盟」に置き換えようとする。「核廃絶の先頭に」との被団協の要望は報じたのか。
 ・4野党共闘の応援団だったはずの小林節氏は応援団席から飛び降り、選手席に入ると宣言、観客を白けさせている。燃費計算の三菱自動車は社長辞任と日産との合併で幕引き。
 ・東京の舛添要一知事のばかばかしい公私混同、大名旅行、政党助成金のネコババ…。同じ知事の沖縄・翁長雄志知事の対米交渉の姿勢の「ツメの垢」でも飲んでほしいが、翁長訪米は、ほとんど報じられなかった。
 ・一方で、盗聴拡大や密告奨励型司法取引、むしろ冤罪をつくる恣意的な録画を決める刑訴法改正も、危険性はほとんど報じられないまま、19日の参院法務委で可決された。
 ・そして、沖縄でまた、女性が米兵の餌食になった。59年児童11人を含む17人が犠牲になった宮森小学校ジェット機墜落、1965年嬉野京子さんの決死のカメラに記録された少女の轢死体、95年小学生への集団レイプ…。いったい何人の犠牲があれば、基地の恐怖がなくなるのか。軍隊は人間を野獣化する。もう、本気になって基地をなくす努力をする以外ないのではないか。
 どのニュースも「一把ひとからげ」にはできないものばかり。もちろん、すべてが誰かに作られたニュースだということではない。ただ、かなりはっきりしてきたことは、大きな流れの中に、政府・権力の「ニュース操作」が巧みに組み込まれ、ニュースの「置き換え」「すり替え」が進んでいることだ。
 事態は世論が整理できない間に、白紙委任を求める選挙になだれ込んでいく。本当に大切なことは何か? 視聴者、読者に預けてしまって済む話ではない。