今週のひと言

この国を変えるのは市民の意思

 「私たちには大きな力はないけれど、強い意思がある」。1月3日、東京・永田町。作家の澤地久枝さんが発言した。集まった130人余とともに、国会議事堂に向けて掲げたのは「アベ政治を許さない」と書かれたポスターだ。
 「戦争反対。自由を守れ」「軍事基地と核武装で平和は来ない」――。それぞれが自分の思いを訴え、芸人の松元ヒロさんは、次期米大統領のトランプ氏や安倍首相、稲田防衛相の話題を織り交ぜたミニコントを披露した。澤地さんの呼びかけで一昨年7月、国会前で始まった「意思表示」は、全国に波及し、正月休みのこの日も各地で同様の抗議行動があった。
 原発再稼働やカジノ解禁法の強行採決など現政権の暴走はとどまるところを知らない。「女性が輝く国を」といいながら保育所の整備よりも米軍施設の建設を優先にする。金がもうかるなら、原発や武器輸出もなんのその。日本はまさにアベ政治が目指す「企業が活躍しやすい国」に向かっている。だが、その企業を支えているのは労働者だ。
 新聞各紙の元旦の紙面を読み、ため息が出た。立憲主義や平和国家の揺らぎについて表面をなぞらえてはいるものの、権力と対峙する気概が感じられない。いま、取り組むべきは、東京五輪関連の企画ではなく、抑圧に苦しむ人々に光をあて、社会の病巣にメスを入れることではないか。
 民主主義を取り戻さなければならない。澤地さんが言うように、さまざまな知恵や技術を持つ市民と、記者、ジャーナリストたちが強い意思を持ち、この国を変えていこう。