今週のひと言

罷免に値する稲田氏の「教育勅語」発言

 運営する幼稚園で教育勅語を素読させている学校法人「森友学園」をめぐるスキャンダルが連日報じられる中、閣僚の驚くべき発言が飛び出した。稲田朋美防衛相が8日の参院予算委員会で、教育勅語について「日本が道義国家を目指すというその精神は今も取り戻すべきだと考えている」と述べたのだ。
 稲田氏は言う。「教育勅語の精神である日本が道義国家を目指すべきであること、そして親孝行だとか友達を大切にするとか、そういう核の部分は今も大切なものとして維持をしているところだ」。「教育勅語が戦前、国民の道徳の規範になって問題を起こしたという意識はあるか」との福島みずほ氏の問いには、「そういうような一面的な考え方はしていない」と答えた。
 時代錯誤ではすまされない。大臣罷免に値する発言だ。
 ①1948年6月、「根本理念が主権在君並びに神話的国体観に基づいている事実」があることなどを理由に衆参両院の決議で排除と失効が確認されている。
 ②「親孝行」「友達を大切にする」を教育勅語の「核」だと稲田氏は言うが、違う。こうした社会通念を皇祖皇宗の遺訓として説くことで、天皇絶対観念を社会に定着させることが「核」にほかならない。
 ③教育勅語を起草した井上毅ですら、立憲主義や政教分離の観点からもともとは慎重な立場を取っていた。
 ④「一旦緩急アレハ義務公ニ奉シ」と自己犠牲の精神が強要され、神権的な国体論と結びついて国民を軍国主義に駆り立てていった歴史がある。
 罷免の理由はまだまだあるが、歴史を振り返れば、天皇主権下の教育勅語が国民主権を掲げた日本国憲法と相いれないのは明らかだ。稲田氏の発言は、憲法尊重擁護義務にも反する。
 メディアの反応は鈍い。森友問題と並んで、徹底的に追究すべきだ。