今週のひと言

森友学園問題の本質

 共謀罪法案も秘密保護法の年次報告や憲法審査会もある中で、永田町は森友問題の紛糾が続いている。自民党は籠池理事長の偽証とか、辻元清美議員の言動とかを持ち出し、ただ問題を逸らして、「首相夫人」を守ろうと必死だが、問題が出ていながら、きちんと議論されていないのが、憲法違反の「教育勅語」とその「擁護政権」のことだ。
 土地売買での「官僚の忖度」を引き出したこの問題、その本質は、教育勅語を暗唱させるような幼稚園ができ、そこが右翼賛美の小学校を造ろうとした、という問題だ。その「方針」に、首相も首相夫人も共感してやってきた。それが、閣僚や官僚を巻き込んだスキャンダルに発展した。
 ついでに書くと、かつての学校ではもちろん教育勅語が教えられたが、それは小学校4年生くらいからで、低学年には森友学園のような暗唱はなかったはずだ、という。
 大阪府政も握った中でうまくいっているはずだったが、首相は日和り、苦労して右翼・国家主義教育の先頭に立ったつもりだった籠池を裏切った、「許せるか」と一方は怒り、もう一方は、何とかせっかく自分たちが手にした政権の維持を図りたい。そのために、「首相夫人付き」などという官職も作り5人もの人手も割いたのだ。もしかして、右翼勢力の中で、「大分裂」が起きているのではないか―。
 はっきりしているのは、この人たち、戦争の惨禍の結果生まれた日本国憲法を破壊し、戦争ができる国づくりを目指し人権より国家を優先することで共通している人たちだ。物言えぬ監視国家つくりを進め、国民の思想を支配するために、教育の国家主義化を進めて、一方では秘密保護法をつくったり、共謀罪をつくったりしようとしていることだ。
 教育勅語は言うまでもなく、いいことも言っているように見える徳目の羅列ではなく、「一旦緩急あれば義勇公に奉じ、以て天壤無窮の皇運を扶翼すべし」と、天皇制国家のために「臣民」を動員することを命じたもので、戦後の国会は衆参両院で「排除」「失効確認」の決議がされたものだ。自民党は改憲草案で「天皇元首化」を掲げている。
 森友学園問題は憲法と国の在り方に密接につながった問題である。