今週のひと言

「非戦非武装」を譲らない

 「よみがえれ あのときへ 武器を持たぬことを伝えた先人たちの声を 永遠(とわ)に語り継ぐのさ 脅かすことでしか 守ることが出来ないと 繰り返す戦争 忘れゆく 愚かな権力よ」—。「戦争」は「つみ」と読み、「権力」は「ちから」 と歌う。
 施行70年の憲法記念日。東京・有明で5万5000人が集まった「5・3憲法集会」のオープニングで、「HEIWAの鐘」を一緒に歌った。ざっと500人。
 「脅すことしかできない、愚かな権力」—世界の権力者たちがしがみついているのが、「武力による平和」の神話であることに、この曲の作者、まだ若い沖縄出身のミュージシャン、ユキヒロは、まっすぐ見抜いている。琉球王国だけではない。「非戦非武装」の日本国憲法もそれを宣言している。しかし、いまだに、トランプも、金正恩も、安倍晋三も、その愚かな神話に囚われている。
 「言葉」で米国を「挑発」する北朝鮮は、核実験を続け、ミサイル開発も進めている。「あらゆる選択肢がテーブルの上になる」とつぶやき、シリア攻撃で選択肢の一つを示唆し、空母攻撃群を日本海に入れ、日韓を巻き込んで危機を煽った。安倍首相は、これを「支持」し、ミサイル発射で東京メトロは全線をストップさせた。
 そして、憲法。99条の「遵守義務」などはそっちのけの安倍首相は1日、「新憲法制定議員同盟」(中曽根康弘会長)の大会に、現職首相として初めて出席、「憲法改正の機は熟した。求められているのは具体的な提案で、改憲か護憲かといった不毛な議論から卒業しなければならない」。3日の日本会議など集会にはビデオ・メッセージで、「9条に自衛隊を書き込む。2020年の施行目指す」と述べた。読売新聞は、3日付で同じことを言わせたインタビューで、露払いした。
  危機が深まれば深まるほど、9条の意義は高まる。朝日の調査では「憲法を変える必要は無い」が50%、「変える必要がある」は41%、9条については「変えない方が良い」が63%、「変えた方が良い」は29%、NHKの調査では、「憲法9条は日本の平和と安全に役立っているか」の問いに「役立っている」が8割超、共同の調査では、「日本が戦後海外で武力行使をしなかった理由」に75%が「9条の存在」を上げた。
 ペンス米副大統領が強調し、安倍首相も否定しなかった「武力による平和」は、「言論」とは相容れない。改憲派メディアは本当に戦争をするつもりなのか? 「HEIWAの鐘」は、いま、高校教科書にも取り上げられ、全国の若者の中に、拡がっている。