ご意見紹介

5月29日、毎日新聞の「風知草」を批判する

共謀罪についてのコラムはこれで4回目になるという。私は4回とも「熟読」しましたが、なぜ、共謀罪が必要なのかわからない。前回、山田さんの主張に応えて、条約を締結・批准しても国内法整備をしていない例を挙げました。
なぜ、国際組織犯罪防止条約には国内法整備が必要なのですか。外務省のHPには、この条約の必要性を「近年,交通や通信手段の高速化,金融,ITサービスその他のネットワークの広がりに伴い,急速に複雑化,深刻化している国際的な組織犯罪に効果的に対処するために,各国が自国の刑事司法制度を整備・強化し,国際社会における法の抜け穴をなくし,国際的な組織犯罪の防止のための国際協力を推進する必要性が高まり,国際的な規範作りが求められるようになりました。」としてあります。どこにも、「テロ」ということばはありません。
また、人権委員会は総会の補助機関にすぎないという主張を国際社会の場で堂々といえますか、それこそ、世界の笑いものです。子どもの権利条約、「慰安婦」問題などこれらは人権委員会からの勧告です(日本政府は無視していますが)。人権委員会の国連での役割は重要視されています。
また、国立国会図書館は、多くの政府が締結しているにもかかわらず、日本政府が締結していない条約を紹介しています。これらをみた場合、日本はいかに国連を軽視しているかがわかります。分担金という資金の面での貢献よりも、「平和」、「人権」、「貧困」問題などに日本政府がどれだけのことをしたのか(していないのか)をしっかりふまえたうえで、条約遵守の論議をふまえてほしい。
また、前回紹介された条文には、「憲法の最高法規」も書かれています。憲法学者・国際法学者の多くは、「憲法に合致しない条約は締結すべきではない」と主張しています。
条約の趣旨から逸脱した「テロ」を持ち出し、共謀罪の必要性を主張するのは本末転倒です。ちなみに、秘密保護法制定のとき、石破茂さん(当時、自民党幹事長)は、秘密保護法制定に反対する人々を指して、「テロリスト」とよびました。
共謀罪への疑念が絶えないのは、このような発言があるからです。政府批判者は「テロリスト」なのか。そうでない証明をしてほしい。

風知草「国連特別報告者って?」(山田孝男)
https://mainichi.jp/articles/20170529/ddm/002/070/073000c