今週のひと言

たたかいは始まったばかり

「共謀罪」法案が6月15日の早朝、前夜から開会されていた参議院本会議で採決され、可決・成立とされた。法務委員会での審議・採決を省略する「本会議への中間報告」という姑息な手段を講じて、国会を早々に閉会し、森友学園・加計学園をめぐる安倍首相周辺の疑惑追及をかわそうという卑怯極まりないやり方だった。
 この「共謀罪」をめぐっては、ご存知の通り国際的にも関心が高まっている。英国のタイムス、仏国のルモンドなど海外のメディアもしばしば報じているが、大きな注目を集めたのは国連の「プライバシーの権利」特別報告者、ジョセフ・カナタチ氏(マルタ大教授)が日本政府に書簡を送ったことだろう。
 カナタチ氏は、「共謀罪」がプライバシーや表現の自由を過度に制限する恐れが強いことから「絵を壁に飾るための釘を打ちこむのに、巨大なハンマーを使うようなもので、壁そのものが壊れてしまう」と批判した。このようなカナタチ氏の懸念に対して、日本政府は質問に答えるどころか抗議文をもって返答するという暴挙に出た。それを見たカナタチ氏は「日本からの反論には内容がない」として、再度回答を促すメッセージを送っている。
 そのカナタチ氏は、インターネットを通じて行った日弁連のシンポジウムの中で、次のように語っていた。
「法律が通ってしまっても、まだ始まったばかりだ。引き続きやっていきたい。日本の人々は民主主義を享受し、基本的人権を享受する権利がある。辛抱強く働きかけたい。数週間で終わることではなく、数ヶ月、数年、永続的に関わることかもしれない。でも、私自身も関わっていこうと思う」