今週のひと言

メディアの方向

 「防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたい」
 東京都議選の応援に出向いた稲田朋美防衛相の口から、仰天するような発言が飛び出した。同相は演説した27日の深夜に撤回した。だが、その前は、演説の場が陸上自衛隊練馬駐屯地に近い場所(板橋区)のため、自衛隊の活動への理解、支援に「感謝しているということを言った」などと釈明。自衛隊員は特定の政党を支持するために職権は行使できない。もちろん大臣も同様だ。「自衛隊の政治利用」との批判は免れず、首相の任命責任が問われる。
 「日本独自の核保有を国家責任として検討すべきではないか」など、稲田氏の言動には過去にも不適切なものがいくつもあった。そんな稲田氏をかばい続ける安倍首相は「2020年に憲法を改定し、9条に自衛隊を明記したい」と語っている。
 文部科学省の前川喜平・前事務次官は、日本記者クラブでの会見(23日)で、「私に対する(報道での)個人攻撃があった。官邸の関与があったと考えている」と言い、国家権力とメディアの癒着をただした。
 マスメディアはどこを向いているのか。右へ右へと傾きつつある流れに歯止めをかけるには、市民とメディアの連携こそ必要だ。