今週のひと言

アベ政治は変わらない

 自民党の歴史的惨敗に終わった東京都議選。安倍晋三首相は「反省」を口にしたが、何をどう反省するのか明らかにしていない。選挙戦では、おごり高ぶり社会をなめ切った発言が安倍首相だけでなく目立った。報道を元にいくつか振り返ってみて、つくづく思う。アベ政治は何も変わらないだろう。
 ▼「こんな人たち」
 安倍首相は選挙戦最終日の7月1日、東京・秋葉原で初めて街頭演説に立った。近年の選挙で自民党が遊説の打ち上げに選んでいる聖地。内閣支持率が低下する中で、ここに来れば熱烈な支持層に囲まれて幸せな気分に浸れると思っていたのではないか。ところがそうはいかなかった。一部の聴衆から「帰れ」「辞めろ」のコールが湧き上がる。安倍氏は感情をむき出しに、コールが発せられる辺りを指さし「演説を邪魔する行為を自民党は絶対にしない」と事実に反したことを言い(国会では自らヤジを飛ばす)、さらに「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と声を張り上げた。「大人げない」では済まない。自民党候補の応援とは言え「内閣総理大臣」と紹介を受けての登場。それが街頭の民衆を「こんな人たち」呼ばわりするとは、一国の首相が自ら社会を分断するに等しい。
 ▼「誤解」「緊張感」※防衛省のホームページにやり取りの詳報
 稲田朋美防衛相は6月30日の会見で、都議選の応援演説で「防衛省・自衛隊、防衛相、自民党としてもお願いしたい」と発言したことについて「『防衛省・自衛隊、防衛相』の部分は撤回し、おわび申し上げる」と述べた。だが理由は「誤解を招く恐れがある」から。繰り返し「誤解の余地のない問題発言だ」と追及されても頑として言い張る。辞任も改めて否定し、何を言われても「緊張感を持ってしっかりと職務に邁進してまいりたい」。野党時代に内閣総辞職を迫ったりしていたことを突き付けられ、整合性を問われても「そういった御批判は真摯に受け止めますけれども、緊張感を持って(以下同文)」。1時間近くの会見で「誤解」34回、「緊張感」は16回、口にした。驚くほどの身勝手さと厚顔ぶりだ。
 ▼「落とすなら落としてみろ」
 批判の矛先をマスメディアに向けたのは自民党の二階俊博幹事長。6月30日、都議選の応援演説で「言葉一つ間違えたら、すぐにいろんな話になる。どういうつもりで書いているか知らないが、お金払って(新聞などを)買ってもらっていることを忘れては駄目だ」「落とすなら落としてみろ。マスコミの人たちが選挙を左右すると思ったら大間違いだ。マスコミが偉いと言ったって、限度がある」などと述べた。選挙結果はマスコミが自民党候補を落とそうとしたからというわけではない。発言は有権者を愚弄している。