今週のひと言

問題の本質は安倍政権の隠蔽体質だ

 南スーダン国連平和維持活動(PKO)に派遣された陸上自衛隊の日報の隠蔽疑惑で、稲田防衛相と防衛事務次官、陸上幕僚長が辞任することになった。疑惑を調査してきた特別防衛監察は、稲田氏の隠蔽への関与をあいまいにし、責任に踏み込むことを避けた。
 稲田氏は28日記者会見をし、「隠蔽という事実はなかった。防衛省・自衛隊の名誉にかけてこのことだけは申し上げたい」と強弁したが、隠蔽の疑いはまったく晴れていない。というのも、安倍政権のこの間の振る舞いを見ていると、政権そのものが隠蔽体質に深く染まっているからだ。
 例えば、「共謀罪」法案。参院法務委員会の審議を一方的に打ち切り、参院本会議での採決を強行した。森友学園への国有地売却問題では、衆院厚生労働委員会で民進党議員が安倍首相に質問すると、「法案と関係ない」と反発した与党がいきなり採決を強行。議員の質問権を奪ってしまった。
 森友学園や加計学園の問題では当初、閉会中審査や証人喚問を拒絶した。報道で政権にとって不都合な文書が報じられると「怪文書」といい放ち、正面から真相究明に取り組もうとしない。とりわけ、森友学園の国有地売却に関する資料を廃棄した財務省は何をかいわんや、である。
 陸上自衛隊の日報の隠蔽疑惑をめぐってメディアは、文民統制のあり方にもっぱら焦点をあてて論じている。確かに、憲法9条の制約下で軍事組織をどうコントロールするかということは絶えず問い続ける必要があるが、今回の問題の本質は違う。
 権力に不都合な事実は隠そうとする、あるいは「黒」を「白」といいくるめる、安倍政権の隠蔽体質そのものだ。