今週のひと言

アンポをつぶせ

 東京・吉祥寺の繁華街などを市民有志が練り歩く「アンポをつぶせ!ちょうちんデモ」が2月15日で通算802回目を迎える。戦後から70年余を経たいまも、常に米国の軍事戦略に組み込まれてきた日本。もとをたどれば安全保障条約、すなわち安保に行き着く。だから叫ぶ。「アンポをつぶせ」と。
 デモはベトナム戦争中の1967年7月15日、社会運動家で数学者のもののべながおき(物部長興)さんが提唱して始まった。当初はベトナム反戦を唱え、毎月2回、行っていた。75年4月末の戦争終結後は、毎月15日と元日がデモの日となり、安保廃止がメーンの目的に。もののべさんが96年に他界した後は、元公立中学教師の谷島光治さんが遺志を継ぎ、いまは元私立高校教師の川手晴雄さん(70)らにバトンタッチされている。
 「被爆した長崎、広島の人々の価値観と、政府の間に大きなギャップがある」と指摘したのは、ノーベル平和賞の受賞団体、国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)事務局長のベアトリス・フィンさん(35)だ。先月、来日した際、日本記者クラブで会見し、日本政府に対して改めて核兵器禁止条約への参加を求めた。被爆国であるのに同条約に加わらないのも、日本政府が米国の顔色をうかがっているから。それでもなおフィンさんは「日本は独特の立場で(核兵器禁止の)リーダーシップを発揮できる」と希望を捨てていない。
 国会での改憲論議は一見、低調に見えるが、平和憲法が危機にさらされていることに変わりはない。「民主主義の基本はそれぞれが意見を表明すること。米軍基地撤去や平和憲法の大切さを粘り強く呼びかけていく」と川手さんは語る。この国の未来を決めるのは私たち市民であることを、忘れてはならない。