今週のひと言

「南北融和」をなぜ歓迎しないのか

 「朝鮮危機」の中で心配された平昌五輪が開幕、北朝鮮の最高人民会議常務委員長・金永南氏と、金正恩委員長の妹・金与正氏が訪韓、韓国の文在寅大統領と会談するなど、朝鮮半島・南北融和に因んだ動きが続いた。「平和の祭典」としてこれを機会に交流が進むのは自然で、当然のことだが、日本のマスコミはこうした動きを「ほほえみ外交」と、冷笑的に捉え、異常だと思えるほど牽制した。
 新聞各紙の社説は、北朝鮮の行動について「朝鮮労働党の金正恩委員長が、『五輪参加』のカードを切って、韓国を取り込む戦術を本格化させたと言えよう」(読売)、「これを盾に米韓軍事演習の中止や在韓米軍の撤退を求め、米韓の離反をねらうことが予想される」(朝日)、「五輪と軍事演習を取引材料にするようなことがあってはならない」(毎日)などとし、産経は「非核化を導かない対話に、価値を認めることはできない」として、韓国が北朝鮮代表団に「便宜を保証する」のは「人道目的を超える『対北支援』に相当することにならないか」とまで言っている。
 そして、「韓国、米国、日本がいっそう結束を固めるべき時である」(朝日)、「文政権には日米と緊密に連携し、(中略)危機打開につなぐ戦略を作ることが求められている」(毎日)、「韓国は日米との緊密な連携を保つことが欠かせない」(読売)、「いまは日米韓、そして国際社会が一致して、対北圧力をかけ続けるべき時だ」(産経)という。
 この姿勢、「米韓軍事演習は予定通りやるべきだ」と内政干渉的発言をし、大統領に「韓国の主権の問題だ」と言い返されたり、「対話のための対話では何も生まれない」と国会で繰り返す安倍首相の姿勢と見事に一致する。いつの間にそんなことになったのか?
 「朝鮮危機」に国民みんながはらはらしてきたのは、過激な言葉のやりとりの中で、戦争への空気が高められ、偶発的な衝突でも起きれば大変だ、ということだし、朝鮮半島の戦争は朝鮮半島の問題ではなく、日本が大きな被害を受ける深刻な問題だ。対話を否定し、圧力をかけ続ける、というのはどういうことか? 要するに戦争をさせたいのか?
 既に朝鮮南北両政権の間には、1960年代から、南北で合意した「連邦制統一案」と南北両政府代表による「最高民族委員会」の樹立案ができ、72年の南北共同声明や92年の「南北間の和解と不可侵および交流、協力に関する合意書」(「南北基本合意書」)につながっている。それぞれの分野での南北交流の経験もある。
 この際、「ヨジョンさんの微笑」を積極的に「利用」してはなぜいけないのか? 文在寅大統領の「北訪問」を実現させ、「統一朝鮮」実現への道を前進させよう。もともと、朝鮮分断の責任は日本にもある。