今週のひと言

日大アメフト事件と日本人

 日大アメリカンフットボール部の違反タックル問題は、一大社会問題になっているが、ここで考えたいのは、こういう事件を引き起こしてしまう日本人の「心性」だ。
 1:ルールがあって、いけないことだとわかっているが、「追い込まれる」とやってしまう。宮川選手は「自分の弱さ」と表現したが、それは彼だけの問題ではない。
 2:内田監督にしても、森コーチ、井上コーチにしても、「反則」はわかっていたが、「勝つためには仕方がない」という自分の論理で突っ走った。本人は目がくらみ、チームはそれが「制度」になって、「勝てば官軍」、だれも文句は言えなくなった。
 3:いったん「勝利」で「完成」すると、「仕組み」はどんどん精密になり、高校から大学、就職に至る人生コースが決められてしまう。その流れから外れるには、相当の勇気を必要とする。
 日大アメフト問題は、①「指示」があったかなかったか②「壊せ」が「積極的にやれ」なのか「けがをさせろ」なのか―が焦点のように見えているが、実は、無言の圧力、あるいはそういう「いい方」で、指示が行われる状況が問題なのではないか。
 「わかるよな」と指示して悪いことをさせる会社、「総理は会っていないのだから、会った記録はすべて消そう」と考え、国会も歴史も直してしまって平気な人たち…。
 このあと、日大が理事長以下が責任を取って、全く違う方向に進んでいけるかどうか。刑事責任を問えるのか、内田監督、井上コーチと宮川君は「共同正犯」なのか、宮川君を2人の「正犯」の「道具」だったとして無罪にできるのか。勝手に謀略で戦争を始めて、結局それを追認してしまったかつての日本社会と違うのか、同じなのか…。
 政治が率先してウソと欺瞞を広げている中で、日本社会をこれからどうしていくのか、変えられるのかどうか。わたしたちの考え方、生き方も問いかけられている。