今週のひと言

強きに弱く? 日大報道と加計報道

 下火になった感があるが、テレビのワイドショーの洪水のような日大報道はすさまじかった。反則行為をしたアメフト部の選手の真摯な会見に対し、明らかにウソをついているとしか思えない監督やコーチ。記者会見をはじめ大学当局のお粗末な対応。不正行為の背景に何があったのかを追及するのはメディアの仕事だが、「いやーな感じ」を覚えたのは、日大には「理事長、なぜ出てこない!」とたたみかけるリポーターたちが、どういうことか、加計学園には腰が引けているからだ。
 日大問題と加計学園問題。証拠があるにもかかわらず、トップが関与を否定しているという点で構図は同じだ。
 証拠とは何か。日大問題では危険行為をした選手の、上司による指示を認めた真摯な証言であり、加計学園問題では愛媛県庁の職員が残した詳細な面談記録だ。そして、日大の監督やコーチは指示を否定し、安倍首相や加計学園の理事長は記録にあった二人の面談を否定している。
 繰り返すが、日大問題を追及するのはわかる。なぜ、それと同じエネルギーを加計問題に向けないのか。加計問題が首相という最高権力と関係しているからか。で、「落ちた犬はたたけ」「強きに弱く」の日本の大手メディアの体質を改めて見せつけられ、「いやーな感じ」に襲われたのである。
 今週の19日、加計学園の加計孝太郎理事長が初めて会見したが、25分で打ち切られた。メディアは執拗に食い下がっていいはずだが、日大の会見打ち切りで見せた怒りは感じられない。会見を知らせるファクスが地元の報道各社に届いたのも2時間ほど前で、参加者は地元の記者に限られたという。
 強い者に弱いメディアの足元を見透かされ、結果、なめられたのだ。