今週のひと言

見せかけの「指導」では済まないLGBT差別

 2週続けて同じテーマだと承知の上で書いておきたい。自民党の杉田水脈衆院議員のLGBT差別寄稿のことだ。問われているのは杉田議員の資質だけではない。公党であり、巨大与党でもある自民党と安倍晋三総裁の責任もだ。
 自民党は8月1日付けで、ホームページに「LGBTに関するわが党の政策について」との見解をアップし、「今回の杉田水脈議員の寄稿文に関しては、個人的な意見とは言え、問題への理解不足と関係者への配慮を欠いた表現があることも事実であり、本人には今後、十分に注意するよう指導したところです」と記した。党総裁の安倍首相も2日、記者団に対し「人権が尊重され、多様性が尊重される社会を目指すのは当然だ。これは政府、与党の方針でもある」と述べた。
 杉田議員の非を認め、公党としての規律を示したかのようだが、本当にそうだろうか。杉田議員が同性カップルに対して「子供を作らない、つまり『生産性』がない」と書いたことは重大な人権侵害であるし、この発想の行き着く先は、社会からの排除や抹殺だ。国会議員として到底許されるものではない。杉田議員を比例代表で擁立して議員にしたのは自民党だ。公党の責任として、あいまいな「指導」で済む話ではない。議員辞職させるべきだ。
 そもそも自民党の見解にも、杉田議員が8月2日に公表した「(指導を)真摯に受け止め、今後研鑽につとめて参りたいと存じます」とのコメントにも謝罪や反省の言葉は見当たらない。「間違ったことは言っていないが、世間がうるさいから形だけ」というのが本音ではないのか。
 映画作家の想田和弘さんはサイト「マガジン9」に8月2日にアップしたコラムで、自民党の2012年の「日本国憲法改正草案」に憲法12条を巡って「自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し」との文言が加わっていることを挙げて、「『責任や義務』とは、勤労や納税のことを指すであろう。つまり自民党は、『働かざる者、納税せざる者には権利も自由もないと思え』と言っているわけである」「杉田議員の主張『生産性のない人間に税金を使うな』と、全く同じことを言っているのである」と、杉田議員の考え方は自民党と同一であることを指摘している。
 自民党の見解も杉田議員のコメントも見せかけだ。これで落着ではない。

※参考 マガジン9「映画作家想田和弘の観察する日々」第67回:杉田水脈議員の考えは、自民党の考えである
 http://maga9.jp/180801-4/