ご意見紹介

南北首脳会談に期待する

3回目の南北首脳会談が実施された。「平壌共同宣言」が発表された。私はこの動きをまずは歓迎したい。
しかし、新聞社説を読むと、「歓迎」する立場、「北朝鮮の動きを信頼できない」立場に分かれている。
後者の立場の主張は、(1)北朝鮮の非核化にむけて具体的なプロテスが明らかでない、(2)アメリカのトランプ大統領が北朝鮮に不信感をもっている、(3)拉致問題への言及がない に集約される。
(1)については、まずは会談をして、非核化に向けて進んでいくことを約束したことを評価すべきではないのか。具体的なプロテスが明らかでないというなら、日本政府の「非核化」政策はどのくらい具体的な見通しがあるのか。核保有国と非核保有国の「橋渡し」の役割を果たすと主張しているが、これにどれぐらい期待できるのか。ましてや、「戦争被爆国」なのに、核兵器禁止条約制定の会議にさえ参加しないなんて、世界の諸国が日本政府を信頼しているだろうか。
(2)トランプ大統領の云々は、昨年の米朝会談をふりかえると明らか。会談直前までトランプ大統領は「会談はしない」、「会談途中で打ち切りもありうる」といいながら、会談は実現した。トランプ大統領の言動にふりまわされないでほしい。また、トランプ大統領の主張があたかも「正しい」という感覚で社説を書くのはやめてほしい。
(3)北朝鮮政府から日本政府に送られたメッセージは、韓国やアメリカを通してではなく、日本政府から北朝鮮政府に直接いってほしい。このことを記事にした新聞社は少ない。また、日本政府と北朝鮮政府の間に正式な外交ルートがないことぐらい、新聞社なら常識である。お互いに大使館を置いていない。そのもとは日韓基本条約にある。また、新潟で行われていた貿易も中断したまま。日本政府は拉致問題を最重要課題だと位置づけるなら、まずは、正式な外交ルートをつくることが先決だと思う。また、新聞社も拉致問題を論じるなら、日本政府と北朝鮮政府がどのようにしたら外交ルートをつくれるかも論じてほしい。

1年前を考えてほしい。だれが南北首脳会談の実現すると予想しただろうか、だれが米朝首脳会談の実現すると予想しただろうか。首脳会談が実現した成果をまずは評価し、そこで出された「共同声明」が履行できるように応援・支援するのが近隣国の責任ではないだろうか。
北朝鮮体制を是とする気持ちは毛頭ない。国内外への人権侵害には警告すべきだ。私には日本が北朝鮮体制にだんだん進みつつあると考えるが、これは偏見だろうか。