今週のひと言

辺野古、空母、クジラ〜続く憲法の危機

 師走の出来事をいくつか。いずれも「年が改まって終わり」ではない。
 2019年も憲法の危機は続く。マスメディアのありようも問われる。

 ▼辺野古埋め立て強行
 沖縄県名護市辺野古の埋め立てと新基地建設に反対との民意が9月30日の知事選で明確に示されにもかかわらず、安倍晋三政権は土砂投入を強行した。沖縄では、2月に予定される県民投票を巡り、安倍政権寄りとされる首長が不参加を表明。またも分断が持ち込まれている。安倍政権の強硬姿勢を支えているのは日本本土の住民の無関心だ。沖縄の人たちが自己決定権を手にするために、沖縄県外で、政権のお膝元の東京で、沖縄に犠牲を強いる現状へ「ノー」の声を大きくしなければならない。そのためには、沖縄で何が起きているかが知られることが必要。本土マスメディアが本土の住民に何を伝えていくかが問われる。

 ▼軍拡競争招く空母保有
 海上自衛隊の「いずも」「かが」を空母に改造し、米国製の最新鋭機F35戦闘機を運用できるようにすることが防衛計画の大綱に盛り込まれた。敵基地攻撃能力の保有が現実味を帯びる。攻撃型兵器の保有は憲法違反。中国との軍拡競争をして勝てると思っているのか。日本国憲法の「不戦」と「戦力不保持」の意味と価値をあらためて考える必要がある。空母保有とF35運用は、防衛省や自衛隊を差し置いての首相官邸の意向だという。トランプ米大統領が9月、「日本は大量の武器を買うことになった」と豪語し、自賛したのはこのことだったようだ。安倍首相はトランプ大統領と密談するたび、大盤振る舞いで歓心を買っているのか。マスメディアは内情に迫る取材を。

 ▼議論なきIWC脱退
 国際捕鯨委員会(IWC)からの日本の脱退が突然決まった。戦前の国際連盟脱退が引き合いに出されたりしているが、対話や議論を打ち切り、自国の主張を強引に実行に移す、ということではイラク戦争に突き進んだ米国と相似形ではないか。看過できないのは、日本国内でろくに議論もなく政府と与党が一方的に決めたこと。水島朝穂・早大法学学術院教授は、国際機関からの脱退は国政の重大な変更であり、憲法に照らせば国会での議論抜きにはあり得ないことを指摘。「憲法九八条が掲げる『国際協調主義』を捨て去る最初の一歩になりかねないと警鐘を鳴らしたい」と訴えている(12月27日付東京新聞朝刊)。そもそも、鯨肉の消費が増えそうもない中でなぜ今、商業捕鯨なのか。マスメディアの検証取材が必要だ。