今週のひと言

憲法を蹂躙する首長、そして安倍政権

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設計画で、名護市辺野古の埋め立ての賛否を問う県民投票が実施される。ところが、2月14日の告示を前に驚くべきことが起きている。沖縄、うるま、宜野湾、宮古島、石垣の5市の首長が投票に不参加の意向を表明し、県内有権者の3割の人々が自らの意思を示すことができない事態になりかねない。
 「一番の問題は、憲法14条1項が定める『法の下の平等』に反することだ」。木村草太・首都大学東京教授(憲法学)が沖縄タイムスに緊急投稿している(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/368131)。今回の県民投票の根拠となる住民投票条例は、投票に関する事務は「市町村が処理する」こととしたが、反対する首長はこの事務処理を拒否する意向を示している。論点は拒否することが認められるのか。
 拒否できるとする論拠の一つが、市町村が県民に投票権を与えるかどうかの裁量権を持つという考えだが、木村教授は「『県条例が、そのような選択権を認めている』という解釈は、県民の平等権侵害であり、憲法14条1項に反する。合憲的に解釈するならば、『県条例は、そのような選択を認めていない』と解さざるを得ない」と明快だ。
 市民の政治的な意見表明という民主主義にとって最も大切な価値を奪うことを5市の首長はどう考えているのか。憲法の蹂躙にほかならない。
 もっとも、こうした事態を招く原因を作っているのは、県民の意向を無視して移設計画をごり押しする安倍政権である。憲法学者の有志が24日記者会見し、声明を発表した。同日時点で賛同者は131人。こう訴えている。
 「民主主義や地方自治のあり方が問われているという点においては日本国民全体の問題である。政府が新基地建設をこのまま強行し続ければ、日本の立憲民主主義に大きな傷を残すことになる」