今週のひと言

記者の質問制限・その後

 首相官邸による東京新聞・望月衣塑子記者への記者会見での質問制限をめぐっては、新聞労連の抗議声明以降、いくつかの動きがみられた。
 マスコミ関係の労働組合で組織する日本マスコミ文化情報労組会議が「首相官邸の質問制限・妨害行為(記者に対するハラスメント)に抗議する」と題した声明を2月18日に公表。記者が質問中なのに、再三にわたって官邸の報道室長が「簡潔にお願いします」と妨害し、質問内容は「事実誤認」と決めつけて排除していることを「権力者による記者に対するハラスメント(いじめ、嫌がらせ)行為」と断じている。
 また、メディア研究者、ジャーナリスト有志などによる「官邸による取材・報道の自由侵害に抗議する緊急声明」も2月19日に発表され、国会議員会館で記者会見が行われた。「事実認識を内閣記者会に共有したいなどとすることは自由で批判的な質問をする記者の官房長官記者会見からの排除にもつながりかねない」などとするこの声明には、5日間で346人が賛同している。
 その一方で、当の新聞側はどうだろうか。いくつかの新聞が社説などで官邸の対応を批判していたが、質問制限された当事者を抱える東京新聞は、事実報道はするものの社としての態度は明確に表明してこなかった。それが2月19日朝刊でようやく「知る権利を守るために」と題する社説を掲げ、翌20日には1ページを使って「検証と見解/官邸側の本紙記者質問制限と申し入れ」とする詳細な検証記事を出した。ここでは、官邸側から東京新聞に対して、一昨年秋から9回にわたって文書での申し入れがあったことも明らかにされた。
 さて、未だに何も聞こえてこないのは、官邸から文書を出された当の内閣記者会だ。その昔、一致団結して第一回帝国議会の取材許可を要求したのが日本の記者クラブの始まりだが、所属記者に対する個人攻撃に際して、内閣記者会は団結して意思表示しないのか。