今週のひと言

憲法の意味する平等社会

 台湾で24日、アジア初の同姓婚を認める特別法が施行された。この日、早朝から全土で受け付けが始まり、カップルが続々と婚姻の届け出をした。
 性的マイノリティーと呼ばれる「LGBT」は、レズビアン(女性同性愛者)
▽ゲイ(男性同性愛者)▽バイセクシュアル(両性愛者)▽トランスジェンダー
(生まれ持った性にとらわれない人)のことだ。最近では、女性でも男性でもなく生きるジェンダークィアが加わり、「JGBTQ」という新たな呼び方が使われるようになった。
 日本で2016年に公開された米映画「ジェンダー・マリアージュ」は、同性婚をめぐる裁判で勝利したカリフォルニア州の2組のカップルを追ったドキュメンタリー。同州は08年5月、マサチューセッツ州に次ぎ同国で2番目の同性婚合法州となったが、半年後には結婚を男女に限定する州憲法修正案「提案8号」が議会を通過。訴訟はこれを「人権侵害」と訴え、米最高裁で婚姻の平等が初めて争われたケースとして注目を浴びた。
 日本でも、同性同士の婚姻を認めない現行法が憲法の「婚姻の自由」(24条)などに違反すると主張して13組の同性カップルが今年2月、国を訴えた。
 だが、教育現場では、トランスジェンダーを自覚する子どもたちが、教師らの無理解により不登校になる場合がある。トランスジェンダーに関するアーカイブ(資料や記録の保存)の整備に力を入れるカナダ・ビクトリア大学のアーロン・
H・デボー教授は昨春の来日時の講演で、「世の中には多様な性がある。子どもたちには自己を探求する自由や環境が保障されなければならない」と強調した。
 日本国憲法は、すべての子どもに等しく教育を受ける権利を保障(3条)している。婚姻の問題も24条の「両性の合意のみに基づいて成立」についての解釈の問題はあるが、その本質は個人の尊厳と平等を保障することだ。異性、同性にかかわらずカップルが自由に婚姻を選択できる社会になることが、憲法の理念に沿う姿ではないだろうか。
 台湾でも、法制化までには当事者らの長い闘いがあったはずだ。社会にはさまざまな人がいて多様な考え方がある。それぞれを認め合い、対話することから、この社会を変えていこう。