今週のひと言

偏見が冤罪を生む

 知人から聞いた話。知人の部下の女性は北アフリカ出身の男性と国際結婚しているが、その彼が早朝の六本木界隈で、路上で酔いつぶれている韓国人男性から財布を盗もうとしている中国人グループと出くわした。正義感を発揮した彼は中国人らから財布を奪回したが、通行人が呼んだ警察官は財布を持っていた彼を窃盗の疑いで逮捕してしまった。
 彼は取り調べで無実を訴えるも聞き入れられず、ついた弁護士も「認めたほうが早く出られる」と自白を薦める始末。母親の病気見舞いで郷里に一時帰国する予定もあり、泣く泣く虚偽の自白調書にサインした。すると裁判でも、中国人らと格闘しながら財布を抱えて走り回る彼の姿を捉えた監視カメラの映像が「動かぬ証拠」とされ、有罪判決に…。
 話を聞いていて、国際色豊かな登場人物に「これがトウキョウの出来事か」と思わず吹き出してしまったが、警察ばかりか弁護士までが外国人差別意識に染まっているかのような展開には慄然とした。4月23日予定の本フォーラム主催シンポジウム「マスメディアとナショナリズム」では、私たちの意識下の差別感覚にも目を向けてみたい。