今週のひと言

新たな出発点

 原爆投下から65年の8月6日。米大使が初めて広島の平和記念式典に出席した。米大使館は「第2次世界大戦の全犠牲者に敬意を表すため」とコメント。原爆投下への謝罪はなかったが、投下国の政府代表が被爆者とともに式典に同席したことは、核廃絶への新たな出発点と考えたい。国連事務総長としてやはり初めて出席した潘基文氏はあいさつで、少年期を朝鮮戦争の中で過ごしたことに触れ「より平和な世界の実現は可能だ」と訴えた。広島市の秋葉忠利市長が平和宣言の中で日本政府に対し、米国の「核の傘」から離脱するよう求めたことは重要だ。戦争大国・米国との軍事同盟は、沖縄をはじめとした在日米軍基地問題にもつながっている。核廃絶のためには、遠回りなようでもまずは武力信奉を捨てることが必要だ。そのために、非戦と戦力不保持を掲げた憲法9条を持つ日本のマスメディアとジャーナリストが、世界をリードするジャーナリズムを打ち出せるか。こちらも新たな出発点に立っている。