今週のひと言

憲法のミイラ化

 「ミイラ憲法のつくり方、教えます」。5月1日、東京であった「子どもの本・九条の会」設立2周年の集会。講演した詩人のアーサー・ビナードさん(42)は、平和憲法から「生き血」が抜かれたも同然の日本の現状を、ミイラにたとえて表現した。
 母国の合衆国憲法は、すでにミイラ化が進んでいた。宣戦布告の権限を連邦議会に与えて戦争の「歯止め」となる条項を設けたはずが、「第二次世界大戦でのドイツや日本との戦争を最後に、議会による宣戦布告をやめてしまい、これまで200以上の戦争を繰り返してきた」。日本もイラク戦争では自衛隊が海外の戦地に派遣され、「昨年は海賊対処法が成立し、海上自衛隊の護衛艦がソマリア沖まで派遣された」
 沖縄の普天間基地の移設問題で、繰り返し使われる「アメリカが難色を示している」という言葉。「日本のメディアが言うアメリカとは、ゲーツ国防長官をはじめ国防総省の幹部など多くてもせいぜい500人」とビナードさん。
 一体、この国のメディアはどこを向いて報道しているのか。憲法のミイラ化を防ごうと思うなら、国もメディアも基地縮小、国外移設に向けた解決策を図るべきだ。