今週のひと言

ムーア監督のメッセージ

 「サブプライム問題に端を発して、アメリカでは7・5秒毎に一軒の家が差し押さえられ、住人が強制退去させられている。庶民は医療費が高過ぎて支払えない。僕はアメリカを愛している。けれども現状は目をおおいたくなる」
 米国の資本主義を痛烈に批判した新作映画「キャピタリズム」の日本公開(12月5日~)に合わせ、11月末、初来日したマイケル・ムーア監督(55)が記者会見で放った言葉だ。場所は東京証券取引所。ニューヨークの証券取引所には「出入り禁止」となったが、日本の資本主義の中心地には、かろうじて入ることができた。
 ムーア監督は予定された会見時間の多くを「日本への思い」に費やした。「僕の若いころの日本のイメージは、教育を大事にし、他国を侵略しない、また、侵略する国を支援しないと言っていた」と話し、「どうかアメリカのようになりたいと思わないでください。『Be Japan』でいてください」とも。
 その痛切な言葉の響きから、主体性を失いつつある日本が浮き彫りになる。ムーア監督のメッセージを重く受け止めたい。