今週のひと言

勇気の共有

 右翼の街宣行動が予想されるなどとして、日教組の教研集会の会場使用や宿泊を解約したプリンスホテルに対し、東京地裁が7月28日、約2億9千万円の損害賠償や謝罪広告の新聞各紙への掲載を命じる判決を言い渡した。日教組は「『集会の自由』の保障を明確に認めた判決」として高く評価した。当たり前過ぎるほど当たり前の司法判断であり、メディアの論調もプリンスホテルに厳しい点がおおむね共通していた。だが、ホテル側を指弾すれば足りる問題でもない。市民団体のイベント使用に対して、自治体の関連施設までが右翼の抗議を恐れて拒否するケースなど、類似の事態があちこちで伝えられているからだ。プリンスホテルは一旦結んだ契約を解約したため批判を浴びた。ならば最初から契約に応じなければいい、ということになりかねない。必要なのは、圧力に屈しない勇気を社会全体で共有していくこと。「表現の自由」にかかわる自らの問題として、マスメディアに何ができるかが問われる問題でもある。