今週のひと言

超大国と小国と

 <答を出したのは、若者や老人、民主党員や共和党員、黒人、白人、ヒスパニック、アジア系、ネイティブアメリカン、ゲイ、ストレート、障害者とそうでない人……この勝利はあなたがたのものだ>
 米大統領選を制したバラク・オバマ氏(47)の4日の勝利宣言は、この国の人種差別の根深さと複雑さを改めて浮き彫りにした。これからオバマ氏を待ち受けるのは、アフガンやイラク戦争、金融危機、環境問題などブッシュ政権の「負の遺産」だ。一国主義から対話重視への転換を掲げる政策がどこまで貫けるのか。それを支えるのは米国市民であり、地球を取り巻く市民同士のネットワークだろう。
 それにしても1年以上も前から米大統領選に大きな紙面をさき、いままた「オバマ氏の素顔」をあの手この手で書きなぐる日本の新聞やマスメディアのフィーバーぶりにはため息をつくばかりだ。これまでの軍事的な癒着を絶ち、この超大国とどう向き合っていかねばならないのか。思慮深く報道してもらいたい。
 そしてもう一つ。絶対王政が廃止されたブータンで6日、立憲君主制のもと初の国王となる第5代ワンチュク国王(28)の戴冠式が行なわれた。「GDPではなくGNH(グロス・ナショナル・ハピネス)」を掲げるアジアの小国の新しい門出を知らせるニュースは掲載されていないか外電面の片隅だ。