今週のひと言

マスメディアの正統性とは

 秋葉原の無差別殺傷事件で、被害者が倒れている現場の情景を携帯電話のカメラで撮影する人たちがいたことに「非常識」「不謹慎」などの批判が上がっている。一方でマスメディアの報道では、たまたま現場に居合わせた人が撮影した写真が大きく使われた。警察官に取り押さえられた容疑者の姿はその代表だ。現場からはインターネットの動画配信サイトで〝ナマ中継〟も行われ、自らのブログに詳細なレポートを掲載する例もあった。ネットを通じて画像や活字情報が社会に発信されていくさまは、それ自体がメディアだ。「非常識」「不謹慎」かもしれないが、「何が起きたのか」を誰かに伝えたいからだったとすれば、批判だけで済む問題ではない。「ジャーナリズム」を掲げているマスメディアと本質的に変わりはないからだ。だれもがネットというメディアを持ちうる社会となり、問われるのはマスメディアの正統性。「伝える」ことの意義と覚悟が試される。