今週のひと言

追悼の8月

 8月15日の東京新聞朝刊に掲載された経済同友会終身幹事の品川正治さんと一水会顧問の鈴木邦男さんの対談を読んで考えたこと。
 「戦争を見るときは兵隊の立場でみてほしい」(品川さん)
 品川さんは中国で一兵卒で終戦を迎えた。9条改憲論議は今や、自衛隊(軍)の海外派遣、集団的自衛権の行使とセットが前提。では、実際に戦場で銃を取るのは誰なのか。自分かもしれない、家族かもしれない、自分や家族が知っている誰かかもしれない。そのちょっとした想像力を広めたい。
 「自衛隊と呼ぶ限り、憲法に極めて忠実な組織」(品川さん)
 自衛隊は一人の外国人も殺していない。自衛隊が違憲か合憲かにこだわれば、意見の食い違いは超えられない。重要なのは、9条改憲によって自衛隊が自衛隊でなくなること。今後の改憲論議にどう向き合うかの問題として、そこに一致点を見出せば広範な共同と連帯が可能なはずだ。
 「非国民、反日でいいじゃないですか、新聞は」(鈴木さん)
 鈴木さんは「99%がひとつの方向に流れても、ちょっと待ってと言うのがメディアの役目」「99%と1%なら、1%は非国民」と言う。「非国民」でいるには、相当に勇気と覚悟が必要だ。それを支えるのは、あの戦争ですり潰されていった一人ひとりの「生」の追体験。メディアとジャーナリズムに身を置く者として、そういう”追悼”の8月を過ごしたい。