今週のひと言

歴史のわい曲を許さない沖縄の民意に応えたい

 沖縄戦での住民の集団自決をめぐる教科書の記述から「軍命」を削除させた文科省の検定撤回を求めて、沖縄県議会が党派の違いを乗り越えた結束を実現させた。「沖縄戦における『集団自決』が、日本軍による関与なしには起こりえなかったことは紛れもない事実」と指摘する文言を盛り込んだ意見書案が「慰霊の日」を前に22日、県議会の本会議で全会一致で可決された。
 「軍命」削除の検定意見は、旧軍人が大江健三郎さんや岩波書店を相手取って起こした訴訟に配慮した結果とも伝えられる。個人には裁判を起こす権利と自由はもちろんある。しかし、旧軍人の個々人の行為がどうであったかということと、戦時下に「軍」という絶対的な組織が存在したこととの問題は同列に置けない。沖縄県議会の結束は、歴史の糊塗、わい曲の果てに何が待っているかのかを危惧する沖縄の民意の結晶だ。次は日本の社会全体の世論が、沖縄の民意に応える番だ。沖縄県議会の動向は、県外メディアこそが取り上げなければならないテーマだ。